【東京23区版】「人口流出が多い区」ランキング!【10月1日は都民の日】
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本日10月1日は「都民の日」。1898年のこの日、当時の東京市(現在の東京23区)に市長が置かれ、市民による自治が始まったことに由来しています。都民の日を記念して、10月1日は「浜離宮恩賜庭園」「小石川後楽園」などの庭園や「恩賜上野動物園」などの動物園・植物園が入場無料になるなどし、「東京都水の科学館」ほかでは記念行事が行われます。
そんな「都民の日」にちなんで、今回は『【東京23区版】「人口流出が多い区」ランキング(2023年データ)』を紹介。
人の生死による人口の“自然増減”とは別に、その地域から出て行った人の数に対し、入ってきた人がどれくらい上回っているかを示す“社会増減”を住民票を基に国が調査したのが「住民基本台帳人口移動報告」。人の移動によって発生するこの移動人口を見ると、転入超過数が多い地域は人気があるとも考えられますが、さまざまな理由から別の地域へ転出する人も多くいます。
本記事では、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULL協力のもと、『東京23区の「転入超過総数が少ない区」ランキング』について解説します。
中山登志朗(なかやまとしあき)……LIFULL HOME’S総研 副所長 兼 チーフアナリスト。出版社勤務を経て、1998年よりシンクタンクにて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間数多くの不動産市況セミナーで講演。2014年9月にHOME’S総研(現:LIFULL HOME’S総研)副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。
調査概要
調査期間 | 2023年1月1日 ~12月31日 |
調査エリア | 東京23区 |
集計方法 | 総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基に作成 |
※本ランキングは、総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基にLIFULL HOME’S総研が作成したものです。
【東京23区版】「人口流出が多い区」ランキング!
第2位:豊島区(-36人)
第2位は「豊島区」でした。東京23区の北西部に位置する豊島区は、若者に人気の池袋やシニア層に人気の巣鴨、高級住宅街として知られる目白など、さまざまな表情を持つエリアです。
豊島区の2023年の「転入超過総数」は-36人。つまり36人の「転出超過」となっています。世代別に見ると、35~59歳が-1365人と転入超過数が最も少なく、次いで60歳以上が-622人、0~19歳が-83人。20~34歳の単身若年層のみ、2034人の「転入超過」となっています。
【中山登志朗さんはこう見る】
まず、23区内で総数が転出超過になっているのは豊島区、新宿区のみです。東京23区は単身若年者層が多い地域。要は大学を卒業した人が東京で就職して結婚するまでの十数年間、賃貸物件を借りて都市部に住むケースが多いということです。この世代(20~34歳)は豊島区で2000人以上、新宿区でも1000人以上と転入超過していますが、一番多い大田区では約8700人と大幅な転入超過を記録しており、相対的に単身若年者層の流入数が少ないという特徴があります。
それに対し35歳以上は新宿、豊島、大田どこも転出超過数が多くなっています。ファミリー層になると、物件価格や賃料が安価な地域に引っ越す人が多く、また、0~19歳のお子さんが1人で出ていくことはほぼないので、親と一緒に転出するということになります。豊島区は単身若年層以外はすべての年代で転出超過になっており、単身若年層もほかの地域に比べて特別転入超過数が多いわけではないので、結果的に転出超過総数のほうが多くなっているということですね。
第1位:新宿区(-2304人)
第1位は「新宿区」でした。東京23区のほぼ中央、「副都心」とも呼ばれるエリアに位置している新宿区。区内は鉄道をはじめとした交通網が発達しており、JR山手線や中央本線のほか、私鉄・地下鉄の駅が点在しています。
新宿区の2023年の「転入超過総数」は-2304人。つまり2304人の「転出超過」となっています。世代別に見ると、35~59歳が-1921人と転入超過数が最も少なく、次いで60歳以上が-793人、0~19歳が-769人。20~34歳の単身若年層のみ、1179人の「転入超過」となっています。
【中山登志朗さんはこう見る】
新宿区も豊島区とまったく同じ傾向です。さらに新宿も豊島も、0~19歳の若年単身者層があまり入ってきてない理由の一つに「イメージがよくない」ということがあるでしょう。新宿や池袋は「大繁華街で治安が悪い」というイメージがある。閑静な住宅地もあるのであくまでもイメージですが、地方から子ども一人を送り出す親御さんとしては心配な部分があるのだと思います。
豊島区と同じように、新宿区も単身若年層以外はすべての年代で転出超過になっており、単身若年層の転入超過数は豊島区よりさらに少ない1179人。これは先に挙げたイメージの問題や、賃料の高さがあるでしょう。そのため、転出超過総数は豊島区よりさらに多い2304人になり、東京23区で最多となっています。
【中山登志朗さん総評】
35歳~59歳で葛飾区、足立区、台東区のみが転入超過となっている理由は、23区内では「賃料・物件価格ともに相場が安価である」ということが大きいでしょう。足立区・台東区には、北千住~埼玉に抜ける東武鉄道が通っており、東武スカイツリーライン・伊勢崎線・東武日光線は日比谷線直通・半蔵門線直通運転を行っています。城北(豊島区、北区など)、城東(台東区、墨田区、葛飾区など)エリアを延伸している電車で都心にダイレクトに入っているので、葛飾区、足立区、台東区あたりは交通の便がいいんです。その割に物価や賃料が安い。転出超過数はあまり多くないことから、消費者物価指数が安価に抑えられているのが大きく影響しているといえるでしょう。
ランキングの全順位は、以下からご覧ください!
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