2021年8月1日から8月7日までの間、ねとらぼ調査隊では「好きなオスカー・フォン・ロイエンタールの名言は？」というアンケートを実施していました。

　今回のアンケートでは合計673票の投票をいただきました。みなさんのご投票ありがとうございます！

　田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説』に登場するオスカー・フォン・ロイエンタールは「銀河帝国」の中心人物。用兵・戦略・統治能力など多方面に秀でた人物ながら、複雑な家庭環境で育ったため屈折した性格と人生観をもつキャラクターです。そんなロイエンタールの数あるセリフの中で、最も人気だったのはどんな名言だったのか、結果を見ていきましょう！

第9位：貴族とは制度化された盗賊のことだ

　同率での第9位となったのは、世間知らずのエルフリーデ・フォン・コールラウシュに対して、貴族の本質を説いたセリフです。本人も貴族の血をひいていながら、実力もなく相続で富や権力を持っていた貴族を毛嫌いしていました。

第9位：騒ぐな、負傷したのはおれだ、卿ではない

　同じく第9位となったのはこちらのセリフです。交戦の中で重症を負ったロイエンタールが、動揺する部下に対して言った言葉。この後、治療を受けながらもロイエンタールは戦いを続けました。

第9位：じゃまをせんでほしいな。おれは死ぬのではなく、死んでいく。その過程を、けっこう楽しんでいるところだ。おれの最後の楽しみをさまたげんでくれ

　さらに同率で第9位となったのは、こちらの名言です。自分自身で望んだ死に方をできたことに対して発せられた言葉。普段は理論派であるロイエンタールには珍しく熱のこもったセリフですね。

第8位：ローエングラム侯には立ちなおっていただく。立ちなおっていただかねばならぬ。さもないと、吾々全員、銀河の深淵に向かって滅亡の歌を合唱することになるぞ

　第8位は、ラインハルトへの思いを語ったセリフです。上官に対するセリフでありながらどこか皮肉めいた言い回しが、実にロイエンタールらしいですね。

第6位：反逆者になるのは、いっこうにかまわん。だが、反逆者にしたてあげられるのは、ごめんこうむりたいものだな

　同率で第6位となったのは、こちらのセリフです。最終的には銀河帝国に背き、反逆者となるロイエンタール。しかし、誰かに陥れられた結果として仕立て上げられるくらいなら、自ら進んで反逆者になろうという気概のある言葉に、彼の矜持がよく表れていますね。

第6位：度しがたいな、吾ながら……

　同じく第6位となったのは、自分に厳しいロイエンタールが発したこのセリフです。完璧な戦略を求めるあまり、自分を責めることもありました。

第5位：……さらばだ、ミッターマイヤー、おれが言うのはおかしいが、皇帝を頼む。これはおれの本心だ

　第5位は、ミッターマイヤーに向けたセリフです。良きライバルであり、最も信頼を置く親友であるミッターマイヤーへ、自身の皇帝ラインハルトに対する思いを託した言葉。なお、ロイエンタールの名言には度々ミッターマイヤーの名前が登場してきます。

第4位：露骨すぎるな、その表現は。あらゆる布石を惜しまぬ、ということにしておこうか

　第4位はこちらの名言。仲間から「嫌がらせの攻撃か？」と問われた際に、オブラートに包む意味で発したセリフです。戦場では相手が嫌がることをするのが勝利への近道であり「あらゆる布石を惜しまぬ」という表現を使っています。

第3位：この世でもっとも醜悪で卑劣なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。それにくらべれば、簒奪は一万倍もましな行為だ

　第3位は、貴族の世襲制に対する批判が込められたこの名言。得票数は27票、得票率は4％でした。

　9位にランクインした「貴族とは制度化された盗賊」との名言に通じる言葉です。自身も恵まれた家柄に生まれながらも、何の努力もせずに権力を手にする人間をことごとく憎んできたロイエンタール。現に、本人は努力をしてここまでの地位を手に入れた実績があるので当然の思いでしょう。

第2位：ならばお前も国を奪ってみろ

　第2位にランクインしたのはこちらのセリフ。得票数は40票で、得票率は5.9％となりました。

　物資を横領した罪で銃殺されることになった兵士がラインハルトを罵った際、ロイエンタールが発したセリフです。力とは自ら勝ち取るものという思いがこもっているようでもあり、3位の言葉に通じるものがあります。また、どこか自分自身に言い聞かせているようにも聞こえる言葉ですね。

第1位：遅いじゃないか、ミッターマイヤー……卿が来るまで生きているつもりだったのに、まにあわないじゃないか。疾風ウォルフなどという、たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう……

　そして、第1位となったのは、自分の死期を悟ったロイエンタールが放った名言。得票数は331票で、得票率は49.2％と圧倒的な人気を集めました。

　自身の最期に際し、なかなか到着しない親友のミッターマイヤーに向けて胸中で語った言葉。数々のキャラクターが死の間際で最後につぶやく名言の多い銀河英雄伝ですが、特に人気の高いセリフの一つがこのロイエンタールの言葉です。