「2020年のオリンピック開催」を疑わなかった頃、東京はどう変わろうとしていたのか? NHKスペシャル 東京リボーン(1)「ベイエリア 未来都市への挑戦」
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【特選!Nスぺ】毎回骨太なテーマで楽しませてくれるNHKのドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」。中でも特にネット上で反応が多かった回を取り上げ、当時の視聴者の感想と一緒に振り返っていく企画です。
本来なら2020年のオリンピック開催を控えていた東京は、大きな変化を遂げようとしています。NHKスペシャル「東京リボーン」は、未来に向けて変貌する東京の様子を追っていく番組です。
2018年12月23日放送「ベイエリア 未来都市への挑戦」は、大きく様変わりするベイエリアの現状について取り上げられました。では、放送当時のネット上の反応を踏まえて、放送内容について見ていきます。
オープニングから『AKIRA』の世界を再現し湧くファンたち
「東京リボーン」では、大友克洋氏の漫画作品『AKIRA』の舞台「ネオ東京」と実際の東京の変化をオーバーラップさせ、漫画の登場人物である金田と思われるキャラがナビゲートする形式でした。オープニングから登場した「ネオ東京」をバイクが走り抜ける金田に「まじでがっつり『AKIRA』だ!」「オープニングだけでご飯3杯食えた」「2018年の時点で東京って『AKIRA』の都市っぽくなってるよね」など、漫画の世界観と重ね合わせて湧く人が多数。
一方で、『AKIRA』は【ネオ東京】の破壊と再生の物語であることから「破壊を考えずに再生だけ臨むのはちょっと」「東京が壊滅した状態から始めないとダメでしょ」など、作品ファンからの厳しい声も。
予算削減や限られた敷地面積を考慮した特殊工法に挑むプロたち
ベイエリアで建設されているオリンピック施設「アクアティクスセンター」では、着工前に予算削減を迫られ、予算を抑えて工期短縮できる「リフトアップ工法」が採用されます。下に作った屋根を持ち上げ、その際にできるたわみを計算して鉄骨が組まれる工法に驚きの声を上げる人や「どんな巨大建築でも人が作ってるんだな」と感銘を受ける人などが現れました。また、「初めからこの方法を採ればよかったのでは」などの指摘も。
さらに、バレーボール会場となる「有明アリーナ」では、建設スペースの関係で屋根を9分割し、スライドさせていく「トラベリング工法」が行われます。多くの人の知恵と努力で建物ができあがっていく様子に純粋に「建築おもろいな」「これぞレガシー建築」と胸を躍らせる声もありました。
寂れていく「都営辰巳団地」と周囲に立ち並ぶタワーマンションの対比
1968年、全壊の東京オリンピック後の高度経済成長期に建設された『都営辰巳団地』。当時はベイエリアの工場勤務者でにぎわいましたが、工場の撤退とともに衰退し、今は高齢者がわずかに住むだけといいます。一方で更地には人気のタワーマンションがいくつも立ち並び「文字通り『陰』にさせられた辰巳団地との対比はいい演出」と、変化するベイエリアを象徴する演出に納得の声が上がります。
また、辰巳団地の全盛期は入居がステータスであったといい、現在では人々の憧れはタワーマンションにシフトしています。これに対し「(辰巳団地の住人は当時)優越感と高揚感に包まれてたでしょ」といった声が。さらに、団地住民の昔の心境と現在のマンション住民がいずれも「(入居できたことは)宝くじ当たるよりも嬉しい」と同じ言葉を発したことに「意地悪な構成」と皮肉に見た声などがありました。
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