日本の伝統的な蒸留酒として全国で製造され、愛飲されている「焼酎」。お酒を扱うプロから見て、本当においしい焼酎とはどのようなものなのでしょう。
そこで今回は、アジア最大級の蒸留酒の品評会である「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」の2022年最新結果より、最高金賞に選ばれた焼酎24本を発表します。ここでは、そのうち2本をピックアップして解説します。
(出典:「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション – TWSC」)
天使の誘惑
西酒造の「天使の誘惑」は、鹿児島県産のサツマイモ「黄金千貫」を使用した長期樽熟成古酒の芋焼酎。原酒はすべてオーク樽で7年以上寝かせています。熟成中にアルコールが揮発して量が減ることを、西洋で「天使の分け前」と呼ぶのが名前の由来です。
淡い琥珀(こはく)色にトロリとした口当たり、そして深い香りと濃厚な味わいがなんとも上品な1本。芋焼酎は長期熟成に向かないという不文律を打ち破り、焼酎の概念を超えた存在といえます。
ちなみに、西酒造からは「天使の誘惑」のほかに「万暦」も最高金賞に選出されました。こちらは冷凍焼酎と呼ばれ、その濃厚さから冷凍庫でキンキンに冷やして飲むのがおすすめとされています。
紅さんご
奄美大島開運酒造の「紅さんご」は、TWSC最高金賞の24本の中でも、特に優れた「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に選ばれた一つ。2年連続でベスト・オブ・ザ・ベストに輝いたのは、この「紅さんご」だけです。
仕込み水には、世界自然遺産登録地域である奄美大島の霊峰「湯湾岳」の伏流水を使用。原酒はホワイトオーク樽で5年以上熟成したもので、奄美特産の黒糖焼酎に、香ばしさと上品な味わいをプラスしています。
琥珀色の甘くかぐわしい黒糖焼酎は、醸造元に「ジャパニーズ・ラム」といわしめるほど華やかな仕上がり。アルコールは40度とやや高めですが、ストレートかロックで余韻を楽しむのがおすすめです。
その他の受賞商品は、次のページからご覧ください!
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