心筋梗塞になりやすい人の特徴……5つの危ない行動パターンを医師が解説
医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。心筋梗塞になりやすくなってしまう行動パターンや、その改善方法などについて解説した。
解説
飯田浩司アナウンサー)心筋梗塞など、血管の病気のリスクが高い方というのはいらっしゃるのでしょうか?
森田)今回は、こういった方には注意していただきたいという、世界のさまざまな研究結果をお話しします。高血圧は、心筋梗塞や脳卒中などの血管事故の原因になりますので、ぜひとも参考にしていただきたいと思います。皆さんもご存知のように、太り過ぎ、塩分の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎ、タバコ、精神的ストレスなどは、高血圧や血管事故につながります。もう1つ重要なことは、アメリカのフリードマンというお医者さんが、3000人余りの方々を対象に研究したところ、ある行動パターンによって高血圧などのリスクが高まることが判明したのです。いまから、5つの危ない行動パターンを挙げます。
【1】早口でおしゃべり
【2】せっかち
【3】周囲の評価を求める
【4】食事のスピードが速い
【5】一度に多くのことをしようとする
森田)以上の行動パターンに多く当てはまるという方は、いつも交感神経が高ぶっていると考えられるので、心筋梗塞を発症するリスクが2~3倍高いと報告されています。性格はなかなか治すことができないのですが、こちらは行動パターンですので、ある程度治すことができます。フリードマン氏は、こちらに該当する行動パターンの方々にカウンセリングを行い、それによって実際に心筋梗塞の発症を抑えられたことも確認されているのです。ですので、少々早口だと思ったら静かにゆっくり話すよう心がけてみたり、周囲に評価を求め過ぎていると感じたら、マイペースに行動してみる。また、テレビを見ながらパソコンを操作するなど、一度に多くのことをしている方は、1つの行動に集中するよう気をつけてみたりするのも大事だと思います。
森田)もう1つ、出来の悪い上司を持つと心筋梗塞になりやすい、という研究結果があります。スウェーデンの3000人余りを対象とした研究では、上司のリーダーシップ能力を最も低く評価した従業員は、心筋梗塞などの深刻な心臓病になるリスクが、約25%も高かったのです。すなわち、出来の悪い上司を持った方は心筋梗塞になりやすいということです。この研究によると、4年以上出来の悪い上司の下で仕事をしていると、リスクは64%に増加するそうです。逆に、リーダーシップ能力の高い、よい上司の下で働いている場合は、年を追うごとにリスクが減って行ったという結果が得られています。ストレスは体によくないのですが、上司を変えることは難しいですよね。ですので、上司の出来が悪いと思ったら、距離を置くことが大事です。そのいなし方によって、ストレスから解放されるのではないかと思います。
番組情報
モーニングライフアップ 今日の早起きドクター
毎週月~金曜日 朝6:15~番組HP
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます
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