「聖戦士ダンバイン」や「重戦機エルガイム」など、主にサンライズ制作ロボットアニメの演出を担当してきた、アニメ監督の今川泰宏さん。その後、1987年の「ミスター味っ子」で監督デビューすると、ダイナミックで奇想天外な演出が注目を浴び、以後次々と人気作を生み出しました。

　今川監督の作品にたびたび見られる、仰々しいほどにけれんみたっぷりの演出やマニアックで細かな描写、非常に個性の強いキャラクターたち、そして濃厚なストーリーと、そのどれもがとにかく魅力的です。

　そこで今回は、「あなたが好きな今川泰宏監督の作品は？」というアンケートを実施します。各回の演出や絵コンテなどで携わった作品も数多くありますが、今回は監督作品のみを対象としました。それではまず、投票対象とから代表して、5作品を紹介します。

ミスター味っ子

　漫画家・寺沢大介さん原作のテレビアニメ「ミスター味っ子」は、1987年から1989年にかけて放送されました。母親と2人で、父の遺した食堂を切り盛りする少年・味吉陽一が、とあるきっかけでさまざまな料理人たちと料理の味を競い合うというストーリーの料理対決アニメです。

　もともと原作でも派手な演出が魅力の作品でしたが、アニメではより強調されています。料理を食べた後に口から光線を放ったり、宇宙へ飛んでいったりするなど、まさに今川節と呼ぶにふさわしいド派手でスケールの大きい演出が多く見られました。

機動武闘伝Gガンダム

　1994年に放送された、史上初めて「宇宙世紀」シリーズとは異なる世界観を舞台にした作品。主人公のドモン・カッシュがガンダムファイターとなり、4年に1度のガンダムファイトで優勝を目指すというストーリーで、既存のガンダムシリーズの雰囲気をすべてひっくり返したかのような、熱血格闘アニメというべき異色作です。

　ガンダムの生みの親である富野由悠季監督が「新しくガンダムをやるならプロレスで」と今川監督を推薦し、サンライズの上層部も「どうせ路線変更するならパワフルな演出を」との意向から生まれた本作。当初はガンダムファンからの反発があったものの、その演出が評価され屈指の人気作となりました。

ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日

　今川監督がファンであると公言する漫画家・横山光輝さんの「ジャイアントロボ」を原案としたOVA作品。1992年から1998年にかけて全7話が発売されました。

　本作はスター・システムにより横山光輝作品のさまざまなキャラクターが登場。いわゆるロボットアニメでありながら、超能力や異能力を持った超人同士の戦いも見どころのひとつで、一癖も二癖もある個性的な横山キャラたちが激闘を繰り広げる様子は、まさに今川監督ならではの作風となっています。

七人のナナ

　テレビアニメ「七人のナナ」は2002年に放送。それまで熱血のアニメを手がけることの多かった今川泰宏監督が、美少女ラブコメを手がけたことで話題になりました。

　ひょんなことから7人に分裂してしまった、どこにでもいる普通の中学生・鈴木ナナ。怒りっぽかったり、頭脳明晰であったり、個性の分かれた7人のナナたちが、さまざまな問題に直面しながらも、好きな男の子と同じ高校に通うため受験に挑むというドタバタコメディです。

鉄人28号（2004年版）

　テレビアニメ「鉄人28号」はジャイアントロボと同じく漫画家・横山光輝さんの原作で、2004年に放送されました。鉄人28号のアニメとしては第4作にあたります。戦後の日本を舞台とし、リモコンを使う人間の扱い次第で善にも悪にもなるロボットを巡り、少年探偵・正太郎と悪人たちの闘争を描く物語です。

　戦後から復興しつつある当時の日本の雰囲気を細かく再現した世界観が印象的で、リメイク作品として高い評価を受けています。また、2007年には劇場版アニメ「鉄人28号 白昼の残月」も公開。こちらは今川監督にとって初の映画作品となりました。

まとめ

　ここまで今川泰宏監督作品の中から、5作品を紹介してきました。いずれも今川監督ならではの味があり、ファンにとっては思い入れの強い作品ばかりではないでしょうか。

　なお投票対象には、全8作品をリストアップしました。あなたが好きな今川泰宏監督作品に、ぜひご投票ください。また、今川監督の各作品への熱い思いもコメント欄にお寄せください。それではアンケートへのご協力、よろしくお願いします！

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