メジャーを狙うジャニーズJr.みたいだった――終了したサービスの経験を語る「失敗カンファレンス」が大盛況「Vox」「nowa」を覚えてる?(2/3 ページ)

» 2012年03月14日 17時31分 公開
[宮本真希,ITmedia]

「わけ分からん組織に」――「Vox」の場合

画像 リリース当時のVox

 nowaと同じく、ブログサービスである「Vox」の例も紹介しよう。Voxはシックス・アパートの4つ目のサービス。ブログや写真の公開範囲を「友人のみ」「家族のみ」と細かく指定できるプライバシーフィルターが特徴で、当時はTech Crunchも「これは皆さん、気に入るでしょう」とベタ褒めだった。

 「200人程度の会社で4つ目のサービス。わけ分からん組織になって非常に大変になることが今だと予想できるんですが……」と関さん。Voxに人的リソースを集中させた結果、Voxのエンジニアは30人近くいるのに、TypePad担当は数人程度――というアンバランスな状況になった。結局2年経て世界で60万ユーザーしか獲得できず、2010年10月に終了。「ベンチャーは1つのサービスにフォーカスすべきということがよく分かった」。

 Voxは、米Six Apart創業者のミナ・トロット氏が深く関わっているサービスでもあった。「本人があまりソーシャルじゃないんですね。ちょっとした仲良い人たちと上質な会話を楽しみたいみたいな感じがサービスに出ていた」。ソーシャルなサービスを出すなら、“中の人”もソーシャルに強くなくてはヒットにつながりにくいのかもしれない。

 赤松さんは社外からの視点で「Voxはきれいにまとまって良いサービスだと思ってたけど、Movable TypeやTypePadがあるなかで位置づけが難しかったのかな」とコメント。いちるさんは「同じ時期に(オープンなサービスである)Twitterが出てきた。Voxは閉じているんですよね。時代の変わり目だったんですね」と、感想を述べる。

流行っても心が折れては続かない

 人気があっても失敗したケースがある。尾下さんはKDDIを辞めた後、携帯向けデジタルカメラ「PashaPa(パシャパ)」を使ったホームページ作成サービスを手掛けていた。月額200円で3日で3万人のユーザーを獲得し「すごいもうかるじゃん!」と盛り上がったが、アップロードされるコンテンツはエロ、グロ、犯罪予告がほとんど。24時間体制で削除に追われることになった。

 「心が折れて疲れてしまってやめました。(Webサービスは)気合いというか覚悟とか青写真ないと続かないと思いましたね。いくらのサービスにしたくて、次何やりたいかっていうのがなかったんで」。関さんも「嫌々やるのは良くない。完全に腑に落ちていないものをやってみるとうまくいかない。継続しないと思うんです」と付け加える。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」