ニュース
» 2013年08月12日 08時40分 UPDATE

ファンの期待に応えるための「Kickstarter」という選択 『リトルウィッチアカデミア2』のスタジオトリガー ロングインタビュー[1/3]

アニメの制作費用をクラウドファンディングで資金調達することに挑戦したリトルウィッチアカデミア2。その理由や反響について聞いた。

[Tokyo Otaku Mode]
tokyoOtakuMode





 2013年7月4日からロサンゼルスにて開催されたアニメ・エキスポ。その中でひとつのニュースが発表された。アニメプロダクション・トリガーが手がけた『リトルウィッチアカデミア』の続編『リトルウィッチアカデミア2』(以下、『2』)の制作発表だ。今年5月、Youtube上にアニメ全編がアップロードされるやいなや、世界中のアニメファンから絶賛で迎えられた『リトルウィッチアカデミア』だけに、続編の発表だけでも話題の的となった。それがさらに、『2』の制作費を集めるため、一般の人達から支援金をつのるクラウドファンディングサービス「Kickstarter」を使うと発表され、その試みに世界中の注目が集まった。ふたを開けてみれば、トリガーが最初に掲げていた目標金額15万ドルは、ファンからの応募が殺到し、わずか5時間で達成。現在、ファンからの支援金の総額は、再設定された50万ドルという目標にも迫る勢いとなっている(注:この記事はプロジェクト終了前に執筆されたものです。プロジェクトは最終的に60万ドル以上の資金を集めて終了しました)。

 今回、本作を手がける株式会社トリガーの代表取締役であり、これまで監督、演出も務めた大塚雅彦氏、取締役・プロデューサーの舛本和也氏、広報の舘本樹氏にインタビューの機会を得たのでその模様をお届けする。

ah_tom1-1.jpg 左から舛本氏、大塚氏、舘本氏

――大塚さん、舘本さん、アニメ・エキスポへのご参加、お疲れ様でした。外国のイベントにトリガーとして参加されたのは、何回目にあたりますか。

大塚 今回が初めてです。

舘本 実は、僕がもともとアニメ・エキスポで通訳として手伝いをしていたことが今回の参加のきっかけになっています。今年も僕が手伝う代わりに、トリガーとして一部屋分のスペースを貸して欲しいとアニメ・エキスポの関係者に話を持ちかけたところ、いつのまにやら大きな話になって、最終的には1000人も入れる部屋で『リトルウィッチアカデミア』のパネルを開くことになりました(笑)

――それは幸運でしたね。

大塚 いや、そうでもないんです。舘本がお話したとおり、最初は小さなスペースでやる予定だったので、「そんな1000人も入るような部屋じゃ絶対観客席が埋まらないよ」とスタッフ一同で話してたんですよ。

舘本 イベント会場がガラガラでは、見栄えとして悪いのでどうしようかと悩んでいたというのが本音です。実際、それだけ大規模なスペースは過去のアニメ・エキスポを振り返っても、日本人なら有名な声優さんのイベントなどでないと、なかなか埋まらなかったという記憶があります。

――実際、お客様は何人くらいいらっしゃっていたんですか。

舘本 1000人近くはいたんじゃないですかね。

大塚 会場がほぼ満席だったので、本当にびっくりしました。

ah_tom1-2.jpg

――すごいですね! それだけ外国の方からも注目されているということは、お二人への質問やメッセージも非常に多かったのではないですか。

大塚 実はタイムスケジュール上、ほとんど観客の方とコミュニケーションをとる機会はなかったんですよ。1時間の枠の中で、それぞれ挨拶をして、『リトルウィッチアカデミア』を上映し、続編を制作することを発表し、Q&Aを受け付ける、という流れです。Q&Aに割けた時間は5分程度でした。全体的に駆け足になってしまった印象はぬぐえなかったです。

舘本 今だから言えることですが、枠を1時間半にしておけば、ファンとしっかりコミュニケーションがとれただろうな、と思いました。初のイベント参加ということもあったので、今回の経験を次回のイベントに活かしていこうと思います。

大塚 最初は『リトルウィッチアカデミア』の上映会のつもりだったので、実は私自身も参加の予定ではなかったんですよ。ただ、アッコ役の声優・潘めぐみさんもイベントに参加されるという話になり、それならば、と急遽私も参加することに決めました。そのため準備に手が回っていなかった部分もありました。これも反省点になるのですが、ここまで大きなパネルになるのだったら、舘本にトリガーの専任として働いてもらえば良かったと思いました。

――え? 舘本さんはトリガーのパネルだけでなくアニメ・エキスポのお手伝いもされていたんですか?

舘本 トリガーがスペースを持たせてもらうための契約条件が、今年も僕がイベントの手伝いするということだったので、そこはちゃんとやらせてもらいました。

大塚 両方の掛け持ちのせいで、トリガーのパネル当日は仕事でいっぱいいっぱいでしたけどね(笑)

――とはいえ、結果として部屋は大賑わい。『2』の制作発表も数多くのメディアで取

り上げられ、大成功でしたね。

大塚 そうですね、本当にあれだけの数の方々に参加いただけたというのは、想像もしていなかったことなので、非常に嬉しかったですね。

ah_tom1-3.jpg

――次回参加されるイベントの目星はつけていらっしゃるのですか。

舘本 実はすでにいくつかのイベントの主催者からお話はいただいてはいます。でもまだ確定はしていないです。僕自身、またイベント参加をしたいと考えているので、かなり精力的にイベント関係者とやりとりをしています。近々、別のイベントにトリガーとして参加できるのではないかなと思います。

大塚 幸い今回の件も色々な所でニュースとして取り上げていただき、トリガーの認知度も広がっているので、イベント参加の機会も増えていくのではないかなと考えています。

――今回大きくニュースで取り上げられたポイントとして、クラウドファンディングを利用してアニメを制作されることがあげられるかと思います。2カ月ほど前にインタビューをさせていただいた際、『2』の制作やクラウドファンディングを利用することはすでに決まっていたのですか。

大塚 正確なタイミングは把握していませんが、『2』を制作することはほぼ決まっていたと思います。ただ今のところ、シナリオなど物語の大元となる部分はまだ決まっていないので、すべてこれから詰めていくつもりです。クラウドファンディングを利用したひとつの目的が、アニメ本編の時間を前作よりも長くすることではあったものの、集まる金額によって作るものも変わってくるので、シナリオは事前に決められなかったとも言えます。ただ、弊社は今年秋に『キルラキル』の放映が控えており、現在その制作に社員一同全力を注いでいます。『2』の制作にとりかかるのは『キルラキル』の放映が終了してからになることは、ファンの方々もご了承いただけると思っています。そのため、時間的な余裕はある程度確保できる、そういう目算の元、今回の挑戦に踏み切ることにしました。

――数あるクラウドファンディングサービスの中でも「Kickstarter」を利用されたのはどういった経緯だったのですか。

大塚 もともと舘本は、クラウドファンディングを試してみたいという話をしていたんです。『リトルウィッチアカデミア』をYouTubeで全世界の方が見ることができるようにしてから、外国の視聴者の方からコメントで「Kickstarterをやってくれないか?」というものをちらほら見かけるようになりました。ファンからも望まれているのであれば、制作費の一部をクラウドファンディングでまかなうやり方を一度やってみようと検討しだしました。→第2回へ

ah_tom1-4.jpg

英文:Answering Fans’ Wishes with Kickstarter: Studio Trigger (“Little Witch Academia 2”) Interview [1/3]

© 2017 Tokyo Otaku Mode Inc.

自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで「はとバス」の取材をレポートする(前編)

えんやの銭湯イラストめぐり:

ねとらぼがスマホからも見れる!

過去記事カレンダー