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» 2013年12月24日 09時24分 UPDATE

“強襲”というか“ドック型”というか:艦これ艦娘“戦歴的”プロフィール「あきつ丸」編

艦これ×蒼き鋼のアルペジオのコラボイベントとあわせて実装した「大型艦建造」で新艦種が追加に。うほー、こりゃまたマニアックだわ。

[長浜和也,ねとらぼ]

正確には「ドック型揚陸艦」の祖先

 「あきつ丸」は、陸軍に所属する船舶で航空運用能力を持つ2番目の船にして、1942年1月播磨造船所の生まれ。見た目は商船改造の空母のようにも見え、実際、船体は商船構造を採用しているが、最初から飛行甲板を持つ船舶として開発しており、その意味では、赤城や加賀より正統な空母だったりする。

kn_akitsu_01.jpg さすがにあきつ丸が登場するボードウォーゲームは持っていなかった。あきつ丸が27隻も搭載できたという上陸用舟艇「大発」は「珊瑚海キャンペーン」(コマンドマガジン114号)に登場するが、上陸用というよりは近距離用海上輸送手段(日本海軍はアリ輸送と呼んだ)として機能する

 最初から艦橋と煙突を右舷側に寄せて、格納庫と飛行甲板をつなぐエレベータも備えるなど、空母に相当する装置を備えていたものの、着艦した飛行機を止める「着艦制動索」や「着艦誘導装置」を持たず、また、艦尾付近に上陸用舟艇を移動するためのクレーン装置を搭載していたため、着艦そのものが困難であるなど、空母としての能力は制約が多かった。さらに、計画では搭載機として九七式戦闘機13機を予定していたが、速力20ノットでは運用がおぼつかなく、実戦でも航空機を搭載したことはない。

 あきつ丸の能力で注目すべきは、外見で目立つ航空運用能力ではなく上陸用舟艇の運用能力だったりする。日本陸軍が日中戦争で数多く経験した上陸作戦の戦訓を反映したもので、従来、搭載した上陸用舟艇を甲板からクレーンで時間をかけて海に降ろしていたのを、船尾に設けたゲートから海に降ろすことで短時間で上陸できるようにした(船内のイメージと仕組みは青函連絡船とそこに搭載した鉄道車両に近い)。上陸用舟艇を母船の船尾ゲートから降ろして発進させる運用は、現代のドック型揚陸艦の原型ともいえる。これを陸軍所有で最初に航空機運用能力をもった「神州丸」で導入し、あきつ丸でも継承していた。

 あきつ丸は、完成早々の1942年2月からジャワ島攻略作戦に、同じ陸軍所属の空母「神州丸」とともに参加した。神州丸が「吹雪」の撃った“流れ魚雷”で沈んだ(後に引き上げて復帰)のとは対照的に、無事に任務を果たして日本に生還している。ただ、本来の「揚陸艦」としての任務はこのときだけで、あとは、船内の格納庫を利用して飛行機や飛行機関連資材の輸送任務を地道にこなしていくことになる。

 しかし、1944年になって、米潜水艦の攻撃で輸送船団が次々と沈んでいく戦況に対応すべく、あきつ丸は航空運用能力を向上する改装を行う。飛行甲板を拡張し、着艦制御索や着艦誘導装置を搭載して着艦をできるようにしたほか、搭載機として70メートルという短い距離で離陸できる「三式指揮連絡機」とヘリコプターの原型となる「カ号1型観測機」を用意した(どちらも1941年にはすでに初飛行を終えている)。その任務は、上陸作戦における上空支援ではなく、海上輸送における敵潜水艦制圧だ。

 改装が終わって8月から三式指揮連絡機を6機搭載して日本各地と中国大陸の航路で運用試験をかねた船団護衛を行うが、そのときに実績から「あきつ丸は航空機の運用に適さず」という評価が下り、結局、搭載していた航空機はすべて陸上基地に取り上げられてしまった。そのまま、あきつ丸は同じ陸軍空母の神州丸とともに輸送船団「ヒ81」に輸送船として参加して、米潜水艦「クイーンフィッシュ」の雷撃を受けて11月15日に沈没してしまう。

 なお、艦これ的には「強襲揚陸艦」と呼んでいるが、実際の強襲揚陸艦は、搭載する航空兵力で陸上兵力を投入することも任務としており、その意味において、搭載する航空兵力を上陸した陸上部隊の支援火力として使うあきつ丸を強襲揚陸艦に分類することはできない。

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