AppBank、リワード広告「今後はやらない」――「モンスト攻略」から「オーブプレゼント」が消えた理由
アプリの「リワード広告」なぜ問題に?
スマートフォン用アプリの「リワード広告」が問題視されている件で、AppBankは今後、リワード広告の扱いを取りやめる方向で動いていることが分かりました。すでにiOS版「モンスト攻略」アプリからはリワード広告が削除されており、Androidについてもプラットフォーマーからの要請があれば従っていくとのこと。
ランキングを操作する「リワード広告」の仕組み
リワード広告というのは、「このアプリをダウンロードすればアイテムプレゼント!」といった具合に、アプリのダウンロードや会員登録などと引き換えに、アイテムやポイントなどの報酬(リワード)がもらえる広告のこと。AppBankが提供している「モンスト攻略」アプリでも、アプリのダウンロードを条件に、「モンスターストライク」内で使える有料アイテム「オーブ」がもらえるリワード広告を実施していました。
もともとAppleはこうしたリワード広告について「不正にランキングを操作するもの」として禁止していたのですが、問題が注目されるようになったきっかけは6月11日。「モンスト攻略」アプリが突如App Storeからリジェクトされたことから、関係者の間で「ついにAppleがリワード広告の取り締まりに本腰を入れはじめたのでは」と話題になりました(関連記事)。その後アプリは復活しましたが、以前はあったリワード広告のキャンペーンバナーが、現在は削除されています。
こうした一連の流れについてAppBank側に問い合わせたところ、AppBankの宮下泰明社長から次のような回答がありました。
AppBankは「リワード広告、今後はやらない」
「『モンスト攻略』アプリ内におけるリワード広告枠の販売に関連する企業に対して、今後はApple社の意向を尊重し、iOSプラットフォーム上ではリワード広告を展開しない考えであることを通達いたしました」(AppBank・宮下泰明社長)
流れとしては、まず6月11日にストアから「モンスト攻略」アプリが削除された際、Appleからは「モンスト攻略記事が他のアプリを紹介しているためリジェクトした」という連絡があったとのこと。この時点でAppBankは「不具合によるもの」として記事で発表しましたが、その後Appleからあらためて「別のアプリのアイテムを受け渡してユーザーに他アプリのダウンロードを助けている」と、リワード広告について指摘があったそう。リワード広告についてAppleから警告を受けたのは「今回が初めて」(宮下氏)だったそうです。
また、一部で指摘されているリワード広告自体の適法性については、AppBank側としては「法律や社会的に問題があるものではなく、あくまでAppleの規約をどのように解釈するかの問題であり、これまでも顧問弁護士や各業界団体に確認をとりながら対応を進めてきました」(宮下氏)とのこと。ただし今回の指摘については重く受け止めており、「基本的にはiOSのデベロッパーガイドラインを尊重し、それに沿った形でAppleとコミュニケーションをとりながら進めていくことが大切だと考えています」(宮下氏)とコメントしました。
なお、Android版「モンスト攻略」アプリでは現在もリワード広告が掲載されていますが、「他のプラットフォームの動向に関しても適切な把握に努め、必要に応じて速やかな対策および行動をとる考えです」(宮下氏)とのこと。
リワード広告の効果は絶大ですが、それだけに、野放しにしてしまうと、ストアのランキングが不正に操作され、本来の数字以上に「人気のあるアプリ」という認識を与えてしまう危険性もあります。「モンスト攻略」にはさまざまなアプリがリワード広告を出稿していましたが、中にはニュースアプリの「Yahoo!ニュース」や「グノシー」、音楽配信アプリ「AWA」、オークションアプリ「ヤフオク!」、トークアプリ「755(ナナゴーゴー)」といった有名アプリも含まれていました。
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現状は「一時停止」だったが、今後も再開しない方針を明らかに。
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