チケット瞬殺だった「シン・ゴジラ」女性限定鑑賞会議 「まずは君たちが落ち着け」で歓声、クライマックスでは一気コールも
ネタバレ満載なので未鑑賞の人は見ないでくださいね。
8月24日、新宿バルト9にて大ヒット中のシン・ゴジラの「女性限定鑑賞会議」が行われました。庵野秀明監督作品のシン・ゴジラは公開から1カ月近くたちますが、動員数は320万人を突破し、興行収入は46億円を超える大ヒットとなっています。
そんな大好評上映中のシン・ゴジラは幅広い層のファンを取り込んでおり、男性だけでなく女性ファンの多さも特徴。インターネット上でもシン・ゴジラに関するつぶやきやファンアートが連日投稿されています。筆者の周りでも自分を含めて複数回見ている女性が何人もいるので、「ゴジラ見た? 何回見た?」というのがあいさつになっています。
そしてそんななか「女性限定鑑賞会議」というイベントの告知が。女性限定鑑賞会議は「発声可能」「コスプレOK」「サイリウムOK」で映画を鑑賞できるという上映なんだそうです。1週間前に行われた同様の上映スタイルの「発声可能上映」(関連記事)も大盛況。ネットでの実況もとても盛り上がっていました。
注目が集まる「女性限定鑑賞会議」、チケットは発売から3分とたたずに売り切れました。チケット争奪戦は当初観客として参加する予定だった筆者も参加しましたが、見る見る席が埋まり、エラーになりチケット争奪戦には敗れていました。ガッズィーラの人気をあらためて思い知りました……!
シン・ゴジラのコスプレとは
そして「女性限定鑑賞会議」当日になりました。発声可能って言ってもイマイチどこで何を言えば分からず、「取りあえず『総理ご決断して』っていうのは絶対に言いたい」と思いながらイメトレしつつ劇場へ向かいました。すると、いました。シン・ゴジラレイヤーさん。
プリンタのコスプレとはなんというチョイス。手には蒲田に上陸したゴジラ第二形態のフィギュア、「水ドン」用の水。そして首にはピンクのタオルという完全なる装備。「客席にプリンタがいる」というカオスな状況ありがとうございました。財前さんは自分の近くの席に座っていたのですが、ちょっと振り返るとお面の財前さんと目が合う、という状況が面白かったです。
シン・ゴジラ上映開始
上映前、東宝株式会社宣伝部の方からの「『ゴジラ頑張れー』という人がいれば『自衛隊頑張れー』という人もいるでしょうし、発声するポイントや意見が合わなかったりしても広い心でお楽しみいただければ」という注意事項が会場をあたためます。ウォーミングアップは十分だ!
上映中はキャラクターが登場するたび、そして自衛隊の戦車などが登場するたびに黄色い歓声が飛び交います。ちょっとしたライブ会場です。なかでも特に巨災対のメンバーは大人気です。米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースンも大人気で、彼女が登場するたびに客席で「簡易英会話教室」がはじまります。
BGMに合わせて手拍子したり、内閣官房副長官の矢口と保守第一党政調会長の泉のやりとりで「フーーー!」と歓声を上げたり。登場キャラクターの言葉を借りると「私は好きにした。君たちも好きにしろ」というのを体現しているかのような客席。
けれど観客はただ騒いでいるわけではありません。矢口が蒲田でがれきに手を合わせているシーン、そして矢口による演説シーン。さっきまでの騒ぎがウソのように、水をうったように静まりかえるのです。きちんと空気を読み、最善を尽くして映画に参加する観客たち。同様の上映は2回目にも関わらず会場の息はぴったりです。なんでこんな手馴れてるのみんな……?
筆者は感じました。会場にプリズムエリートが複数潜んでいると。
プリズムエリートとは、「KING OF PRISM by PrettyRhythm(通称キンプリ)」のファンのこと。キンプリは、女性限定鑑賞会議のように「発声可能」「コスプレOK」「サイリウムOK」で上映する「応援上映」という上映スタイルで話題になった劇場作品です。そのキンプリを9回ほど劇場で見た筆者は確信しました。キンプリの戦友が確実に複数潜んでる。
ちなみにサイリウムの色は赤・紫・青・緑が中心でした。ゴジラは赤で応援しますが口から放射火炎を吐き出す場面では会場のサイリウムは紫に染まります。巨災対の応援カラーは当初定まっていませんでしたが、立川へ移動したあたりで巨災対のイメージカラーが青になった印象。最初は赤いサイリウムで全力でゴジラを応援していますがだんだんゴジラの強さに圧倒され、自衛隊や巨災対を応援する声に力がこもります。
それにしても「ヤシオリ作戦」で一気コールを聞くことができるとは……(見た人なら分かりますよね?)。その場面での会場の盛り上がりも、サイリウムが赤・紫・緑・赤とさまざまな色に染まりました。そして作戦成功を冷静に喜ぶ画面内の人物と大盛り上がりの会場という温度差もシュールで面白かったです。
そうして大興奮のまま上映が終了しました。
大興奮のゲストトーク
上映後、シン・ゴジラに出演する俳優さんたちが劇中の衣装で(!)登場。事前に発表されていた尾頭ヒロミ役市川実日子さん、泉修一役松尾諭さん、間城北大学大学院生物圏科学研究科准教授の塚本晋也さんのほか、サプライズゲストとしてベテラン官邸職員のおばさん役の片桐はいりさんが登場した時、会場は一層興奮の渦に包まれました。
塚本さんから「なんで(歓声のタイミングが)合うの……なんか、こわいよお。ゴジラ倒したのにねえ」というコメントに対して観客から「怖くないよーーー!」と声が飛ぶ一幕も。
興奮状態の会場を落ちつかせようとした、松尾さんによる泉のせりふ「まずは君たちが落ちつけ!」では1分ほど歓声がやみませんでした。逆効果や……! いいぞもっとやれ泉! この後も観客席の質問者に「まずは君が落ち着け」と声をかける場面も。汎用性高い。
ゲスト俳優の皆さんもシン・ゴジラのヒットを肌で感じていたそうで、片桐はいりさんは「街を歩いていると『ゴジラありがとう』と声かけられます」とコメント。片桐はいりさんは大田区の映画館でチケットのもぎりをしていて、実は「すごい緊張感の中お茶出して半日で帰ったゴジラの撮影よりも、チケットのもぎりでかかわってる時間の方が長い」んだそうです。
尾頭ヒロミ役の市川実日子さん。会場からの「かわいいーーー!」という声援に照れて「かわいくない!」と反論するも数倍の「ヒロミかわいいよー」の声援にたじろいでいました。市川さんは、漫画家が描いた尾頭の絵が友達から送られてきてインターネットでの人気を知っていたようですが、その後の松尾さんの「あれいいですよねーあれぼく壁紙にしようと思って」という発言に対して出た市川さんの「家の!?」という天然発言に会場はますます「かわいいー!」と大盛り上がりになりました。
松尾さんは「僕は一緒に見てたんですけど、スクリーンに負けないくらい観客席のパワーがすごくて、なんていうか笑いました」とコメント。塚本さんも黄色い歓声に「男性アイドルって普段こんな気分なのかなあ?」とまんざらでもない様子で、発声可能の女性限定鑑賞会議という上映スタイルを俳優の皆さんも楽しんでいた印象でした。
それにしても、撮影中は「早口でしゃべらないとカットされる」といううわさが立っていて(うわさの発生源は長谷川博己さん by松尾さん)ものすごい緊張感の中進められたそうですが、今日登壇してくださった俳優さんたちは和気あいあいで、そんな光景を見ているだけで幸せな気持ちになりました。劇中の衣装を身にまとっていることもあり、劇中の登場人物を重ねて見てしまい、目の前で繰り広げられる平和な光景に思わず涙が出そうになりました。
女性限定鑑賞会議は熱狂のまま幕を閉じました。筆者はシン・ゴジラの鑑賞は3回目だったのですが、何回見ても新しい発見があり最後まで面白く鑑賞させていただきました。また、発声可能な上映も楽しく、こうした上映スタイルが定期的に行われることを夢見つつ、次回作にも期待に胸を膨らませています。最後に一言。\シン・ゴジラありがとーーー!/
(ちぷたそ)
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