JASRAC、著作者が自分の作品を使用料請求なしに使える範囲を拡大 音楽出版者との契約がなければ対価を得てもOK

演奏会などの場合、「入場料×会場定員数」が400万円以下まで。

» 2017年07月14日 16時45分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)が、管理委託を受けている楽曲の取り扱いに関わる約款を変更。著作者が、使用料請求を受けずに自分の楽曲を使える範囲を拡大したことを明らかにしました。

 これまでは、たとえ自分の作品であっても、対価を得た場合などにはJASRACによる使用料請求が発生。しかし、音楽出版者との契約がない作品に限り、「配信期間が3カ月まで」「複製数1000枚まで」といった条件のもと、請求を差し控えさせることが可能になりました。


JASRAC、著作者が使用料請求を受けずに自己使用できる範囲を拡大 使用目的、対価による制限が撤廃

 JASRACは6月28日、音楽関係者、弁護士による委員会の審議の結果を踏まえ、著作権信託契約約款の変更を決定。同協会に管理委託を行った著作者が、より自分の意思を反映しやすい内容に改めたとしています。主な変更点の1つとして挙げられている「著作者の自己使用の範囲の拡大」は、著作者が自分の作品を使用したときに発生する使用料請求の範囲に関わるもの。

advertisement

 従来は、著作者が自分の作品を使用するケースであっても、費用を超える対価を得る場合には、使用料請求が行われていました。しかし、今回の変更により、音楽出版者との契約の有無、指定された利用規模を守れば、JASRACによる請求を受けずに使用できるようになりました。規模の条件は利用形態ごとに定められており、演奏会などでは「入場料×会場定員数」の金額が400万円以下になること、複製物では1000枚、部以下であることとされています。インタラクティブ配信(ダウンロード、ストリーム配信などを指す)の場合は、リクエスト回数が1000回に達するまで、もしくは、配信期間3カ月まで。


JASRAC、著作者が使用料請求を受けずに自己使用できる範囲を拡大 対価を得る場合の利用規模上限

 その他の変更では、国外に限定して楽曲の管理委託を行うことが可能に。これは海外の管理団体の多くが作詞、作曲者を演奏権使用料の分配対象としていないことなどに対応したもので、国外ではJASRACに委託、国内では別の管理団体に、と使い分けることができるようになります。また、管理委託範囲を利用形態などによって選択する制度では、選択内容を変更できるサイクルが3年ごとから1年ごとに短縮されました。


JASRAC、著作者が使用料請求を受けずに自己使用できる範囲を拡大 海外だけJASRACに委託する形式が可能に。所属事務所との契約から、国内外の管理を一括してJASRACに委託することができないというケースがあるのだそうです

マッハ・キショ松

関連キーワード

JASRAC | 音楽 | 著作権

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/29/news087.jpg 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  2. /nl/articles/2503/29/news054.jpg 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  3. /nl/articles/2503/27/news056.jpg 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  4. /nl/articles/2503/28/news058.jpg 「昔はかなりモテた」と話す母→ウソかと思いきや…… 100万再生された“当時の姿”に娘も驚き「なんてこった!!」【海外】
  5. /nl/articles/2503/29/news026.jpg 養子に迎えた娘を溺愛していたお父さん、その26年後には…… まさかの展開に感動の声 「泣いた」「美しすぎる」【米】
  6. /nl/articles/2503/25/news065.jpg パパに抱っこされる娘→30年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「私もお父さんが恋しくなった」【海外】
  7. /nl/articles/2503/29/news066.jpg 「この値段では考えられない」 ワークマンの新作“1900円アウター”が品切れ続出の反響ぶり 「コスパ良し!」
  8. /nl/articles/2503/29/news067.jpg 「こんな安くていいのか」 ワークマン新作“1500円パンツ”が売り切れラッシュの大人気 「何の文句もない」
  9. /nl/articles/2503/27/news039.jpg 【着物】たんすに眠っていた帯→“斜め上の発想”でリメイク 完成したアイテムに「何て素敵なんでしょ」「挑戦してみます」
  10. /nl/articles/2503/28/news169.jpg “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に