わずか230日で終了したソシャゲが“伝説”と呼ばれるまで 「セブンズストーリー」その数奇な歴史を辿る
「セブンズストーリー」復活を記念して、当時の熱狂を知るゲーマーの1人・怪しい隣人さんに、このゲームの歴史を振り返ってもらいました。
あの「セブンズストーリー」が帰ってくる――。今からおよそ1年前、Cygamesの新作タイトル発表会「Cygames NEXT 2016」の中で、それは突然発表されました(関連記事)。
わずか1年弱でサービスは終了したものの、一部カルトユーザーから熱狂的な支持を得た伝説のゲーム「セブンズストーリー」。果たして「セブンズストーリー」とは何だったのか、なにがそこまでファンを惹きつけたのか。モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人であり、当時の熱狂を知る1人でもある「怪しい隣人」さん(@BlackHandMaiden)にあらためて振り返ってもらいました。
なぜこれほど待ち焦がれる人がいるのか?
来る2017年8月9日、あるアプリが配信されることが決定しました。
その名は「セブンズストーリー」。
少数の、しかし熱狂的なファンがこのゲームの配信を待ち望んでいました。
このゲームの名前をどこかで小耳に挟んだ方も多いと思います。
なぜそんなにこのゲームを待ち焦がれる人がいるのでしょうか。
このゲームがたどってきた数奇な歴史を、そして皆の思い入れる理由を少しばかり紹介したいと思います。
「これは久々に大物が釣れた」
2013年。モバゲーやGREEといったプラットフォームで配信されるゲームがまだまだ多かった時代。そんな中、定期的にいかにもダメそうなゲームを探して新着ゲームを探すのが私の趣味でした。
当時は「ゲームをプレイさせるために招待メッセージを送る」という形式がまだまだ残っていました。そして単純なゲーム性のゲームもまだまだ多かったことから、人におすすめしてすぐダメだと分かってもらえるゲームを探し、それを人に送って反応を楽しむという趣味の悪い遊びができたのです。
そんな日々を過ごしていた10月13日、これはというゲームが見つかりました。
そのゲームの名前は「セブンズストーリー」。
ラクガキみたいなイラスト。
一昔前のホームページ作成ソフトで作ったようなタイトルロゴ。
飾り気も何もないHTMLそのままとしか思えないゲーム画面。
これは久々に大物が釣れたと思いました。
2013年は今でも生き残っているアプリが多数公開された年です。「魔法使いと黒猫のウィズ」「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル」「チェインクロニクル」「ブレイブフロンティア」「モンスターストライク」など、タイトルを挙げるだけでも錚々(そうそう)たるアプリがそろっています。
こんなゲームが出始めて、そろそろブラウザゲーの立ち位置はヤバイのでは? と思われていたころにこのラクガキです。
正気か? と思いました。
そして私はまともにプレイもせず、そういうゲームを楽しむ仲間たちにバンバン招待を送り、Twitterでこのゲームについてつぶやきました。このインパクトだけで十分楽しんでもらえるだろうと思いましたし、私も十分楽しめたからです。
しかし、それから数十分後、招待を送ったり私のつぶやきを見てゲームを始めた人たちが普通にプレイを続けているのです。
「……何か判断を誤ったのか?」
そう思った私はあらためてプレイを開始しました。
盛り付けが料理の全てではない、が……
いやあ、もったいない。
それが第一印象でした。
ガチャで引いたラクガキみたいな絵のユニットをマス目に配置して、将棋のように駒を進めながら戦うタクティカルRPG。それが「セブンズストーリー」の主なシステムです。
そのシステムをチュートリアルで説明してくれるのですが、これが引っ掛かりなくプレイできてとても分かりやすい。よくソーシャルゲームだと「チュートリアルは飛ばしたい」という話がありますが、そんなイライラ感は一切ありません。
このイライラ感のなさの大きな理由は、プレイ中の読み込みがほとんどない、あるいは感じられないところにあります。先も書きましたがこれはアプリではなくブラウザゲーなわけで、その状態で読み込みのストレスを感じずプレイできるというのは相当すごいことだと思います。
そんな調子でゲームそのものもサクサクと進んでいきます。そこで気付くのですが、戦闘の合間合間に挟まれるストーリーが実にしっかりしたものなのです。
これはリメークを控えている以上、どうなるのか分からないのでちょっと書けないのですが、タイトルの「セブンズストーリー」にはちゃんと意味がありますし、気が付けばこのラクガキみたいなキャラクターたちに感情移入するぐらい物語はきっちりと存在しています。
先にも書きましたがこの年は「チェインクロニクル」がリリースされており、ソーシャルゲームもカードを集めてポチポチするだけではなく、ストーリーを読ませる作品が増え始めていました。
そんな中、シミュレーションRPGとして手軽に軽快に遊べ、しかもお話も面白い。そんな作品に一部の人がハマっていくのはムリもないことでしょう。
また、当時まだまだ現役だった農業ゲー要素も含まれており、ギルドの面々と庭でにんじんを育てることで、プレイヤーのサポートキャラとなるウサギを育てることができたりと、本編以外のおまけ要素も豊富でした。
さらに、ゲーム内に見つかる問題点は定期的に改修、改良されていることにプレイしていると気付かされます。そんなところもますますファンの心をつかんでいくのです。
残念ながらごく一部の人しかハマらなかったのは、やはりその絵やデザインの放つマイナス方向のアピールもあったかと思います。
ただ、一応頑張って改定しようとはしていたのです。
先のタイトル画像に比べると、明らかに絵のクオリティーが変わっているのがお分かりでしょうか。途中から追加ユニットはこんな感じのイラストに変更されていくのですが、元の味を生かそうとしているのか、ちょっとましになった程度にしか見えないのが最大の難点でした。とはいえガラッと変えると全てのデザインを変えることになるし、難しい問題だったと思います。
単発200モバコイン、10連2000モバコイン(1モバコイン≒1円)でレア確定という、世間の一般的なガチャからすればやや安い方の課金ガチャが実装されていましたが、似たようなお金を払うと著名なイラストレーターさんの描く美麗なキャラクターが排出されるゲームもあったわけです。盛り付けが料理の全てではありませんが、かと言って盛り付け方次第では誰も食べてくれない。そんな事実を教えてくれる作品でした。
約半年で終了……そして復活へ
結局セブンズストーリーは翌年2014年の5月末に終了を迎えます(関連記事)。230日、約半年ちょっとという短い命でした。
そんな中、開発会社のWITHは新作「ペットモ☆アイランド」の告知を行いました。捲土(けんど)重来に期待するファンたちでしたが、それからしばらく、何の音沙汰もない日々がしばらく続きました。
半年がたった2014年12月。突然Cygamesが開発会社の買収を発表しました。
驚愕(がく)しました。
ソーシャルゲーム業界トップクラスの企業と言っていいCygames。2014年には「グランブルーファンタジー」をリリースし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。そんな会社があの「セブンズストーリー」の会社買って何するんだ一体、何を作らせるんだ一体と一部はざわめきましたが、やはり音沙汰はありません。
2015年3月に会社名をWITHからWithEntertainmentに変更し、会社の公式サイトを一新するものの、これまたゲームの進捗に対する言及はありませんでした。
このままこの会社とゲームは忘れ去られていくものだと思っていました。
時は過ぎ2016年8月。
突然セブンズストーリーの公式サイトができました(関連記事)。
しかも当時の絵をドーンとトップに乗せてカウントダウン開始。
カウントダウンの終了日はCygamesの新タイトル発表会の日。
これはきっと何かが来るに違いない。
そして迎えたCygamesの新タイトル発表会。
完全にリメークされたイラスト、CVのついた新たなキャラクター。美麗なユーザーインタフェース。
足りないと思われていたものを完全に補った「セブンズストーリー」がやってきました。
ニコニコ生放送で中継された発表会。声優さんたちが舞い踊るステージに挟まれたそのゲームを不可解な目で見ていた方も多かったと思います。ですが、それを見て大喜びしていた人たちは間違いなく存在していたのです。
ですがもちろん、外見の変化に伴って当時の軽快さが失われるのではないかという心配もあります。2017年5月に実施された先行プレイ会のレポートを見ていると、追加された要素の豊富さに「ちょっと待って」と言いたい気分になってきたりもしました。
ですが、いろいろあってもコアのシステムは変わっていないようで、何よりニンジン育てる要素がしっかり残っている時点で「ああ、セブンズストーリーなんだなあ」という気分になれました。
入り口のもろもろの問題点から多くのユーザーに触れてもらえず、不幸な終わりを迎えたセブンズストーリー。今回はもう少し多くのユーザーに触れてもらえれば。そんな期待を込めながら、筆を置かせていただきたいと思います。
(怪しい隣人)
関連記事
- 伝説のタクティカルRPG「セブンズストーリー」が生まれ変わって復活 グラフィック一新で「誰だお前」状態に
おかえりセブンズストーリー! - 一部で熱狂的支持を得たソシャゲ「セブンズストーリー」が復活か? 謎のカウントダウンサイトがオープン
ガタッ! - 日々是遊戯:Mobage「セブンズストーリー」終了発表でソシャゲクラスタに衝撃 ま、まだ今からでも間に合うぞ!
2カ月あればストーリークリアまでは行ける! - 「まだ招待特典届いてない」「贈り物が消滅」――「美少女競泳メドレーバトルの思い出」がじわじわくる
ソーシャルゲーム界に彗星のように現れ、そしてまたたく間に消えていった(まだ消えてない)「美少女競泳メドレーバトル」。その思い出を振り返るハッシュタグが盛り上がっています。 - モバゲー「美少女競泳メドレーバトル」、あまりのクオリティの低さにTwitter民が震撼
なんだこの美少女は! 昭和か! - さあ皆集まってー! カオスとシュールの権化“ちびまる子のソシャゲ”のレビューが始まるよー
永沢君のためにリセマラ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
-
ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
-
「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
-
“作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」