独アーティスト、Twitter社オフィス前に削除されなかったヘイトツイートをスプレー 通報を6カ月間無視され
なかなか過激な抗議。
イスラエル系ドイツ人アーティスト、Shahak Shapiraさんが独ハンブルクのTwitter社オフィス前で抗議のパフォーマンスを行い、注目を集めています。
過激なパフォーマンスの様子がYouTube上に投稿されたのは8月7日。動画にはShahakさんらが未明にTwitter社前に集合し、Twitter上で確認できたヘイトツイートの文面を路上にスプレーしていく過程が確認できます。夜が明けると、路上は一面ヘイトツイートだらけに。
「黒人は我々の社会にとってペストだ」「イスラム教徒が嫌いだったらRT」「ユダヤ人たちをまとめてガス室に送り込もう」など、単なる暴言ではない、差別的な文言が並びます。動画では通行人が足を止め、路上にスプレーされた文面に不快感を示す場面も。ある通行人からは「人種差別的で女性蔑視で、非人道的。とても不快」「自社のサービスでこうしたことが起こるのは認識不足」といったコメントもありました。
Shahakさんが抗議に及んだ背景には、Twitter社の対応の不誠実さがあったようです。Shahakさんは過去、FacebookとTwitter上で目撃した差別的な投稿を、Facebook社に150件、Twitter社に300件通報したところ、Facebookでは約80%の投稿が削除されたのに対し、Twitterから返事が来たのはわずか9件。しかも返信内容は「規約上問題ないツイートだった」というものでした。「Twitterが私にヘイトツイートを見るよう強要するのであれば、彼らも見るべきだ」と思いたち、行動を決意したそうです。Shahakさんはパフォーマンスにより「Twitter社が考えるきっかけになれば」と、活動の意図を説明しています。
なお、スプレーが行われた範囲はTwitter社前の歩道と、道路を隔てた向かい側の歩道までの範囲。動画ではビルの清掃員が歩道の文字を黙々と消していく様子も映されています。ただし清掃が行われたのはビル側に面した歩道部分のみ。Shahakさんは動画で、「一度警察官が来ましたが、問題もなく立ち去りました」「Twitter社の玄関前だけを綺麗にしていなくなった清掃員は、他者の問題を放置するTwitter社のポリシーに準じていますね」と皮肉たっぷりなコメントも。
Twitter社はロイターの取材に対し「プライバシーの観点から個々のアカウントへの言及は行わないが、同社の規則を厳格に執行し、ネットワーク上での不正行為への取り締まり徹底を強化した」「昨年比で悪質なアカウントへの措置は10倍に増えている」と語っています。
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