「引かないガチャは当たらないんです!」 マンガ『合理的な婚活』横嶋じゃのめ先生インタビュー(1)
効率を追い求めた婚活の先には何がある?
Webコミックサイト「スピネル」で連載中の『合理的な婚活 〜DINKsを本気で目指すおたくの実録婚活漫画〜』。SNSで話題を集めている本作について、著者の横嶋じゃのめ先生にインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。
漫画『合理的な婚活』とは?
「子どもは持たない」「家計は別々」「できれば同居もしたくない」という条件付きでの理想の結婚を目指すべく、マッチングアプリを使ってできるだけ効率的に婚活を進めていこうとする、営業系おたく女のガチ婚活レポ漫画。
著者プロフィール:横嶋じゃのめ
1987年生まれ。雑誌の広告営業をしながら趣味の同人漫画を描いている。三度の飯よりBLが好き。
横嶋じゃのめ先生インタビュー(1)
――連載が始まったきっかけを教えてください。
もともと趣味で同人活動をしてたんですけど、2016年の冬コミの抽選に落ちて、当時は情熱を傾けるところがなくなってたんです。ちょうど同じ時期に婚活を始めていて、根っからの営業体質でいろんな人に会えるのがとても楽しかったので、もう漫画にしてしまおうと。
――連載開始から1年経ちましたが、反響はいかがですか?
話数にもよるけど、過激なところに切り込んでる回はわりと反応がありますね。「婚活漫画のくせに疾走感がある」とか(笑)。やる気が出る、気持ちが上がるみたいな意見はよくいただいています。
でも、やっぱり賛否両論ありますね。最初から分かっていたことですけど。「なんで女性はみんなマッチングアプリのプロフィールに『ヨガやってます』って書くの?」という内容を描いたら、「ヨガを馬鹿にするな!」ってコメントがきたり。ちなみに男性だと「フットサルやってます」になる。ほんとに多くて。
別にヨガとかフットサルを馬鹿にしているわけではないんですよ。ライト層というか、いわゆる陸(おか)サーファーみたいな人に対して引っかかりがあるだけなんですけど。“ファッション”でやってます、みたいなのに対するマイナスの気持ちが、どうしてもにじみ出ちゃうみたいで……。
――『合理的な婚活』という作品タイトルが印象的です。
読んでくださった方は分かると思うんですが、この漫画自体は全然合理的じゃないです(笑)。ただそれを目指しているというだけで。
たぶん壮大な“照れ隠し”なんですよね。中高生くらいまで女としてまったく日の目を見なかった自分のような人間は、恋愛のメインストリームに踊り出ていいはずがない、みたいな思い込みがあって。
そういう状況で、「こっちは好きって思ってたけど向こうが振り向いてくれなかった……」みたいな“か弱い表現”を読者に見せるのがはばかられるので、精いっぱい理論武装して、という。
どんな服を着るかとか、爪にいくらお金を掛けるかとか、化粧をどんな風にするかとか、全部復讐ですね。中学生の頃同じクラスだった男子に今度会ったときに、「なんだおまえ、変わったな……?」って言わせたいがための復讐ですね。
――結婚を考えている人にとって、婚活はおすすめですか?
(即答で)ぜっっったいやったほうがいい、ぜっっったいみんなやったほうがいい!
――すごい実感こもってますけど……?
私たちが女ばっかりで喫茶店とか行って話すときの「まだ29(歳)でしょ、だいじょぶだよ〜」みたいな、あれウソなんで。マジでウソなんで。始めるなら早くやったほうがいいです。
――やっぱりマッチングアプリを使うのが一番効率がいいんですか?
何を使うかはその人の要件によります。私は子どもが欲しくないっていう要件がはっきりしていたので、事前にすり合わせられるアプリを使っています。婚活パーティーとかは子ども欲しいっていう人がほとんどだと思うから意味ないなって。逆に雰囲気とか実際に顔見てからじゃないと無理っていう人は、アプリじゃなくていきなり会う方にいけばいいだろうし。
でも、ほんとに結婚したい人にとっては、婚活自体はやって悪いことは何もないと思うから。くじびきというか、“逆の節分”みたいに、歳によって引けるくじがどんどん減っていくので。今5択のものが、2択、1択になっていくんです。引けるうちにいっぱい引いとかないともったいない。引かないガチャは当たらないんです!
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