拡散中の記事「凶悪な美少女ゲームで精神崩壊して自殺」はデマ 元記事では因果関係について表現なし
他のソースも探してみましたが、「遊んだプレイヤーが精神崩壊し自殺」といった報道は見つかりませんでした。
「美少女ゲーム『Doki Doki Literature Club!(ドキドキ文芸部!)』を遊んだプレイヤーが精神崩壊し自殺」――といった内容の記事がTwitterなどで拡散されていますが、参照元とされている海外記事にそのような表現はなく、「デマではないか」という指摘が相次いでいます。
発端となったのは、ゲーム系ブログ「ユルクヤル」が6月25日に掲載した「凶悪な美少女ゲーで精神崩壊した学生が自殺、イギリス全土に警告発令へ」という記事。イギリスの地方メディア「Sunderland Echo」の記事を参照しつつ、「ビジュアルノベル『Doki Doki Literature Club!』をプレイした男子学生が自殺する事件が起きた」「検視局が警告を発令した」などと紹介していました。
しかし、元になったSunderland Echoの記事を読むと、「自殺した少年の死について調査した結果、『Doki Doki』というゲームを遊んでいたことが分かった」とは書かれていますが、「美少女ゲームで精神が崩壊した」といった表現や、ゲームが自殺の原因であると断定するような記述はみられません。
また「市議会を通じて家族に注意を呼びかけた」「マンチェスター検屍局は全国の地方当局に対し懸念を強調しようとした」といった表現はありますが、ユルクヤルの「イギリス全土に警告発令へ」に比べるとかなり控えめなニュアンスとなっています。他にもソースを探してみましたが、やはり「『Doki Doki Literature Club!』が原因で自殺」という報道は確認できず、「遊んだプレイヤーが精神崩壊し自殺」はデマであるとみられます。
2017年にリリースされた「Doki Doki Literature Club!」(Steam)は、その衝撃的なストーリー展開で、リリース直後から海外ゲームファンの間で大きな話題になったPC用アドベンチャーゲーム(関連記事)。日本語にはまだ対応していませんが(有志による非公式日本語化パッチは存在)、なぜ同作がそこまで騒がれたのか、同ゲームについてブログで積極的に紹介していた、「ゲーマー日日新聞」のJ1N1さん(@j1n1_r)に聞きました。なお、J1N1さんは今回のデマ騒動に対しても、自身のブログ内で問題提起をしています。
―― この「Doki Doki Literature Club!」とはどんなゲームなのでしょうか。
J1N1さん:アメリカのTeam Salvatoという小規模スタジオが制作したアドベンチャーゲームです。プレイヤーは主人公として文芸部に入部して、詩を制作したり女の子と仲良くしたりするというゲームなんですが、そこで一波乱起きると。
その秀逸な演出や脚本、システムが話題となり、海外ではIGNのPeople's ChoiceによるBEST PC GAMEを受賞するなど各方面で高く評価されています。日本ではまだマイナーな作品ですが、バーチャルyoutuberのキズナアイが実況する等、徐々に話題になっています。また日本語化MODの作成やファンアートなど盛り上げようという気運が強く、小規模ながらもコアなファン層を持っているという印象ですね。
―― これを遊んだ人が自殺するようなことは考えられますか。
J1N1さん:世界中で自殺する人の中に、偶然このゲームを遊んだ人がいても不思議ではないと思いますが、因果関係としてはあまり考えられません。確かに、この作品には作中で何度も警告されるように、ショッキングな表現や演出が存在します。ですが、実際に遊んでみると、この作品は精神的な錯乱や不安をリアルに描く一方で、実際にこうした苦しみを感じる人への理解を促し、これを克服しようとする希望のメッセージが含まれているんです。
―― Sunderland Echoの記事では、地元の教育関係者に注意を促したといった表現もありますが、これについてどう考えますか。
J1N1さん:先ほど述べたように、この作品は実際に世界中で精神に関する苦しみを抱えている人々への理解を促した、すばらしい作品だと考えています。「15歳の少年の自殺」という事件は本当に痛ましいことですが、かといってゲームに責任を転嫁して、表現を萎縮させても何の解決にもなりません。そして残念ながら、我が国においても精神疾患や、それを苦にした自殺は何ら珍しいことではない。こんな形で作品が知られた事は残念ですが、日本のゲームファンにもぜひこの機会に一度この作品をプレイしていただきたいですね。
「ユルクヤル」の元記事はこれまでに1万5000回以上リツイートされており、一時は「DDLC」がTwitterのトレンドに入るなど大きな話題に。ネット上では記事を受けて「DDLCがリアルで死者を出してしまった世界初のギャルゲーになってしまった」など、誤った情報に基づいた否定的反応もみられました。
関連記事
- “ネタバレ厳禁”の海外産ギャルゲー「Doki Doki Literature Club!」に待望の非公式日本語化パッチ登場
やっと日本語でドキドキできます。 - 週末珍ゲー紀行:絶対にネタバレは見ないでください 海外生まれのビジュアルノベル「Doki Doki Literature Club!」があなたに問いかけるもの
ヲタクの妄想に秘められたアンチテーゼ。 - まとめサイト「保守速報」から広告バナーが完全消滅 広告主に問い合わせる“広告剥がし”の動きが加速か
「ヘイトの温床」として以前から問題視されていたサイトでした。 - 東名高速あおり運転事故でデマ書き込み、11人書類送検 被害社長は民事訴訟検討「転載した人も同罪」
民事訴訟を検討しているとのこと。 - 「ニュース見てないんか」「息子やろが」 東名追突死亡事故、デマ拡散で無関係企業に嫌がらせ 暴走する“ネット私刑”の恐ろしさ
ある日突然、見知らぬ人の“怒りの標的”にされる恐怖。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
-
夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
-
ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
-
人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
-
160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
-
「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
- イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
- 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
- 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
- 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
- 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
- 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた