ポリゴンの名誉回復を――ポケモンショックを振り返る漫画が反響呼ぶ

事件の原因は光が明滅する演出なのだし、いつまでもキャラクターに責任を負わせなくても……。

» 2019年01月22日 19時30分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 1997年12月16日放送のテレビアニメ「ポケットモンスター」で、過度な光の演出が多数の視聴者を体調不良に――後に「ポケモンショック」などの通称で呼ばれた、この事件を振り返る漫画をファンがTwitterで公開しました。事件の犯人扱いされたポケモン、「ポリゴン」の名誉を取り戻すために。


アイキャッチ アニメ版においてはタブー的な存在となってしまったポリゴン

 事件が起きたのは、ポリゴンの初登場回「でんのうせんしポリゴン」でのこと。作中で用いられていた、赤と青の光が激しく明滅する演出が、光過敏性発作を引き起こしたとみられています。これで何百人もの視聴者が体調不良を訴えて病院に搬送されたことは、放送の翌日から大々的に報道されました。


1P

 放送局のテレビ東京は、原因の究明と対策の確立ができるまで、同作の放送を休止に。番組は1998年4月16日に再開されましたが、当該エピソードは欠番扱いとなり、再放送やビデオソフト、ネット配信から除外。ゲストポケモンであったポリゴンは、以降のテレビアニメ版に一切登場しなくなりました。


2P

 そもそもポリゴン自身に非はなく、事件の原因はアニメ上の演出ではないか――作者のチャロス(@Cha_ros)さんは異を唱えます。にもかかわらず、進化形のポリゴン2やポリゴンZまでタブー扱いされているとも。


3P

 事件以降、「テレビを見るときは部屋を明るくしてテレビから離れて見てください」とテロップが出る習慣が根付き、NHKと民放連の「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」で、映像や光の点滅する手法についても規定が定められました。対策がなされた現代で、もうポリゴンがアニメに出ない理由はないはずだと、作者は主張します。


4P

 「だからポリゴンをアニメに出してほしい。ポリゴンが悪者ではないことを多くの人に知らせてほしい」――作者の訴えで漫画は結ばれました。リプライでは、「当時、ポリゴンもポケモンも悪くないのに、なぜここまで大人たちに悪く言われなきゃならないんだと思った」「リアルタイムで見ていたあのころ、勝手に頭の中でポリゴンが悪いと思ってしまっていた」「当時生まれていなかったので、ポリゴンがアニメに出ない理由を初めて知った」など、さまざまな反応がありました。

 チャロスさんによると、漫画を描いたきっかけはテレビ東京の特番「ポケットモンスターの平成史〜火曜から木曜、そして日曜へ〜」。見ているうちにポケモンが大好きだった子ども時代を思い出し、やがてポケモンショックのことが頭に浮かんだといいます。

動画が取得できませんでした
特番は公式YouTubeチャンネルにて1月31日まで期間限定公開中

 事件の詳細を知らなかったため、あらためてネットで調べたところ、ポリゴン自身に非はなかった事実を初めて知ることに。もし自分のようにポリゴンが原因と思い込んでいた人がいたら、検索で調べるきっかけになるかもしれないと思って漫画にしたそうです。


 「誰が悪者か」に意味はなく、「ポリゴンを悪者にしないでほしい」とだけ願うチャロスさん。「平成が終わるまでにポリゴンたちがアニメに出てくれたら普通に泣きます」と取材に答えました。


作品提供:チャロス(@Cha_ros)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」