全人類がプリキュアになった日 「HUGっと!プリキュア」が示した「こうでなければならない」からの脱却サラリーマン、プリキュアを語る(3/3 ページ)

» 2019年01月24日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]
前のページへ 1|2|3       

 あ! 数字的なことを書こうと思って忘れていました。

 主に「HUGっと!プリキュア」が放送された2018年は、プリキュアに関する数字は「何もかもが絶好調」でした。

 少しだけ、HUGっと!プリキュアが残した数字を見て、終わりにしたいと思います。


ほとんどの数字が、2017年を上回る

 2018年のプリキュアは観測されるほぼ全ての数字が上向いています。

 世帯視聴率、KIDS視聴率(※2018年は11月までの平均値)は、ともに前年を上回りました。テレビ離れが進む昨今、視聴率が前年を上回るのは本当にまれなことなのです。

プリキュア HUGっと!プリキュア 映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア スター☆トゥインクルプリキュア スタプリ ※世帯視聴率:2018年は11月までの平均値、KIDS視聴率:2018年は11月までの平均値(ビデオリサーチ社調べ。平均値計算は筆者によるもの)

プリキュア HUGっと!プリキュア 映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア スター☆トゥインクルプリキュア スタプリ

 おもちゃ、アパレル、文具などの指標であるバンダイナムコのトイホビー売り上げも2Q(4月〜9月)までで2017年を13億円上回る51憶円。東映アニメーションの国内版権売り上げも、2Qまでで昨対125.3%と、大きく伸ばしました。

プリキュア HUGっと!プリキュア 映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア スター☆トゥインクルプリキュア スタプリ

 また、春と秋に上映されている映画も、初動2日間の興行収入が2作連続で「最高収益」を出し、特に秋映画「HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」(「・」はハートマーク)は興行収入11億円を突破し、秋のプリキュア映画では「歴代最高の収益」になることが確実な状況となっています。

 観測できる数字的にみれば、まさに「文句のつけようのない」1年となりました。


プリキュア絶好調の要因

 では、そのプリキュア好調の要因は何だったのでしょうか? 個人的に思うことは下記の通りです。

  • 1:プリキュア15周年

 2018年はプリキュア15周年イヤーとして、さまざまな戦略的な展開が行われました。東京の主要駅に大きな広告を出したり、原宿の限定ショップや、コラボカフェ、15周年記念ライブ開催、「秋映画のギネス記録認定」など、さまざまな展開がなされました(関連記事:プリキュアはあと100年続く 「HUGっと!」から「スター☆トゥインクル」へ、1年の振り返りと“2018年の奇跡”

  • 2:メディア戦略のうまさ

 15周年でのメディアの露出に加え「HUGっと!プリキュア」本編が「意欲的に攻めた」内容であったため、これもまた各種メディアが大きく取り上げることとなりました

 「プリキュアが育児と仕事を両立」「プリキュアの敵がブラック企業」「男の子だってお姫様になれる」「帝王切開は正しいお産」「初の男の子プリキュア誕生」……。

 これら社会的なメッセージ、ジェンダーやLGBとTへの言及ともとれるさまざまなメッセージを、比喩ではなく「直接的」に描くことにより話題となり、新聞や雑誌、Web媒体でも大きく取り上げられることとなりました。

  • 3:作品の力

 もちろん「子ども向けアニメーション」として、子どもに向けたメッセージや、キャラクターのかわいさ、玩具の出来の良さ、年間で飽きさせない展開など、子ども向けアニメーションとしての基本がきっちりとできていたことも、好調の要因であったものと思われます。

 もちろん数字が全てではありませんが、数字の好調さは社会が「HUGっと!プリキュア」を受け入れてくれている1つの指標ではあると思います。

 さて、「HUGっと!プリキュア」が終わってしまうのは本当に寂しいのですけど、「スター☆トゥインクルプリキュア」が始まることはとても楽しみです。

 この時期のプリキュアファンは、寂しいような、楽しみなような、もう本当に複雑な心境になるのですよね……。


「HUGっと!プリキュア」
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション

関連キーワード

子供 | アニメ | 声優 | プリキュア


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」