「ばあちゃんいつ死ぬの?」 安楽死が認められた世の中で死を迫られる漫画「デスハラ」が考えさせられる(1/2 ページ)
自分だったらどうする?
安楽死が法律で認められた世の中で、「いつ死ぬの?」と死を迫られる漫画「デスハラ」が深く考えさせらると注目を集めています。作者は吉田より(@yohakuyori)さん。
物語の舞台は、老化や病気などを理由にした安楽死が法律で容認されるようになった日本。安楽死には保険が適用され、自治体では安楽死のガイドラインを示すパンフレットを配布しています。
主人公の安西さんの友人たちも、自分の死にどきを考え、終活をしています。「安西さんはいつ死ぬの?」と茶飲み話のような気軽さで聞いてきます。答えに詰まる彼女に、友人は「死にどき考えとかないと!」「そろそろ考えておかないと子供に迷惑かかるわよ?」と口々に安楽死の検討を勧めます。
友人だけではありません。遊びに来た孫にまで、「ばあちゃんいつ死ぬの?」と聞かれてしまいます。孫は息子夫婦が安楽死のことを話していたのを聞いていたのです。嫁のカバンには安楽死のパンフレット。安西さんは「おいおいは考えておかないとねえ」と笑顔を作って答えます。
病気を抱え、健康に不安がないわけではない安西さん。仏壇の前で、亡くなった夫に「私、死んだ方がいいのかしら?」と問いかけます。夫の最期を思い出して涙をこぼす彼女ですが、2人で庭に植えた鈴蘭が咲いているのに気づき、「もう少しだけ……」とつぶやくのでした。
安楽死が認められたらこんなことが起きるかも……とリアルに感じられるお話。自分だったらどうするだろうか、と考えずにはいられません。漫画を読んだ人からも、考えさせられる内容だったという声が多数寄せられ、「いざ安楽死が導入された場合のいい部分だけを持ち上げず、問題になる部分を巧く描けているなと感じました」「フィクションであってほしい。でも何なんだこの妙な現実感は」といった感想も見られます。
吉田よりさんは以前にもいけにえに捧げられた不死者「人柱案山子」が話題に(関連記事)。“死ねないがゆえの苦悩”を繊細な筆致で描いて絶賛されていました。
「デスハラ」
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