死ねないばかりにいけにえに――悲しい業を背負った不死者の物語「人柱案山子」が恐ろしくも引き込まれる(1/3 ページ)
生きながらカカシとして神に捧げられた不死者は、数百年間で何を思ったか。
「カカシ様の中にはね、死なない人間が入っているんだよ」――そう伝説に語られながら、本当にカカシとして神へのいけにえに捧げられ続ける不死者の漫画、「人柱案山子(ジンチュウカカシ)」がTwitterで好評を博しています。作者はヨ(@yohakuyori)さん。“死ねないがゆえの苦悩”を柔らかで繊細な筆致で描き、読み手をぐいぐいと引き込んできます。
小学2年生の千歳春(ハル)は引っ越し先の農村で、高く立てられたカカシに遭遇。その異様さに驚いていると、父親がカカシの由来を語り始めます。それはこの村にかつてあった、いけにえの風習にまつわる言い伝えでした。
昔々“白い爆発”があり、土地は破壊され作物が育たない事態に。誰かが「神様が怒ったせい」と唱えたことから、村から1人がカカシとして選ばれ、神に捧げられることになりました。結果、土地には緑が戻ったため、災害が起こるたびにカカシを捧げる風習が根付いたといいます。
そんなある日、死なない人間が現れてカカシ役を引き受けたおかげで、他の村人はいけにえにならなくて済むようになり、風習はなくなった――それが伝説のあらましでした。ハルが話を疑いながらその場を去ると、カカシが「ちょっと違うんだよなあ……」とぽつり。伝説は絵空事ではなく、カカシの中にはずっと、本当に不死者が入っていたのです。彼は遠い昔に思いを巡らせ、伝説の真実を振り返ります。
その当時、彼は「ホタル」という名の男として暮らしていました。「死なない男」として恐れられながら、死なないばかりに非道な扱いを受ける日々。近隣に怪物が出ると爆薬を渡され、退治に向かうのが彼の役目です。その方法はというと、自分もろとも怪物を爆破するというむごたらしいものでした。彼は身体が爆散してもすぐに再生できるとはいえ、激痛を感じることに変わりはなく、「死にたい」とつぶやきます。そして夕日を見上げながら、己の生きる意味、死ねない命の意味を神に問うのでした。
その後、村を恐ろしい洪水が襲いました。神の怒りだと恐れた村人たちは、いつものようにいけにえを捧げようと、誰をカカシにするか思案します。そうして出た結論は、「ホタルがいい。だってあいつは死なないから」。そんな声を耳にして、ホタルは自分の処遇を悲しみながらも、自らカカシになると進言し、長らく田んぼに立っていたのでした。四肢を封じられながらも左目だけは開けてほしいと頼み、ずっと山野を眺めながら。
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