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5月に行われた新司法試験の論文試験で、架空の「ネット規制法」に関する出題があった。青少年などを有害情報から守るために作られた「フィルタリング・ソフト法」という法律に違反したとして起訴されたWebサイト運営者を、憲法に基づいて弁護する――という問題だ。


試験に登場したフィルタリング・ソフト法は、6月に成立した現実のネット規制法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)より厳格な設定だ。携帯電話に加えてPCにもフィルタリングソフト搭載が義務化。フィルタリングを回避するプログラムを他人に提供してはならず、違反した場合は罰則が適用されるというものだ。
試験は、平和や死刑の問題を考えるためのWebサイトを運営する人が、サイト内に戦場の死傷者や拷問を受ける人の画像などを掲載していたところ「有害サイト」と指定され、フィルタリングソフト搭載機器では閲覧できなくなっていた、という設定。
運営者は「子どもも真実を知った上で問題を考えてほしい」と考え、サイトは「不快感を与えるかもしれない画像が掲載されている」と注意書きをした上で公開。「サイトに寄せられた意見のほとんどは、画像にショックを受けたが平和や死刑について真剣に考えるようになった」という状況だった。
その上で運営者は、フィルタリングソフトを回避し、サイトを閲覧できるようにするプログラムを無償配布。これがフィルタリング・ソフト法違反とされ、起訴されたという設定だ。
問題は(1)運営者の弁護人だった場合、どういった憲法上の主張を行うか、(2)検察官の主張を想定しつつ、憲法上の問題点について見解を述べよ――というものだ。
現実のネット規制法は6月の国会で可決・成立した。18歳未満の青少年が有害情報を閲覧する機会をできるだけ少なくすることを目的とし、フィルタリングソフト・サービスの普及などを促している(「青少年ネット規制法」成立)。
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