ゲームの世界に迷い込んだかのような……

 今年の秋冬は、「ドット絵」ファッションが“来る”かもしれません。

 まるで8ビット時代を思わせるような、カクカクの「ドット絵」柄。これらの作品は、森永邦彦氏のブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」がこの春発表した、2011-12年の秋冬コレクション。「解像度」というデジタルな概念を現実世界に持ち込み、あえて「LOW(低解像度)」にこだわって表現することで、モノの形を見直すというのがテーマだそうです。


ANREALAGEの公式サイトでは、今回のショーで出展された作品の数々が公開されています


 ジャケットやパンツだけでなく、ちゃんとタイツやハイヒールといった小物もすべて「ドット絵」デザインで統一。襟や袖口やなどは反射テープによる縁取りが施されており、カメラのフラッシュをあびるたびに、ギザギザにカットされた独特のシルエットが浮かび上がります。

 低解像度でもモノの本質を表現することはできる/低解像度だからこそモノの本質がよりハッキリと現れてくる――という考えは、まさに昔のビデオゲームに通じるのではないでしょうか。たった16×16ドットで生き生きと躍動するキャラクターを描いた「スーパーマリオブラザーズ」や、わずか4色で金属ならではの質感や明暗を表した「ゼビウス」のように、低解像度だからこそ浮かび上がってくる「本質」を、昔のゲームはとらえようとしていました。

 公式サイトではショーの動画も公開されていますが、電子楽器とピアノの生演奏を組み合わせたBGMなど、観客を現実とデジタルの狭間へといざなうような演出も印象的。あくまでショー用の作品ではありますが、もし店頭に飾られていたら、注目を集めることは間違いなさそうです。


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