東京ビッグサイトで5月24日、国内最大級のビジネス向け環境展示会「2011NEW環境展」が開幕した。東日本大震災の影響による電力不足が予測される中、節電対策の技術やシステムに注目が集まっていた。


今年は「夏の節電対策」が注目のキーワード

会場全体で目立っていたのがミストの放出装置。商業スペースや工場、倉庫内での熱中症対策に役立つという。ニューヨーでは移動式のレンタル噴霧器を展示していた。扇風機型は音も静かで1カ月の料金も数万円と、店舗での利用にも適しているという。

新エネルギーへの注目を反映するように、人だかりができていたのは風力発電機や海流発電機を展示していたループウイングだ。羽がリボンのような独特の形をしている風力発電機は、静音性や低風速での起動に優れているだけでなく、「怖さ」を感じさせないよう見た目にも配慮したという。

服に直接ファンが付いた「空調服」も注目されていた展示。ファンで服の中に外気を取り込み、汗を蒸発させて気化熱で体を冷やす仕組みだ。屋外、屋内問わず作業しながらでも冷却効果を得られるのが特徴だ。オフィス向けの空調ざぶとんも販売されている。
環境のためにプチプチしましょう

プチプチだらけのブースで人目を引いていたのが「プチプチ」の登録商標を持つ川上産業。従来のプチプチより14%軽量化した「ダイエットプチ」やプチプチを巻くための芯(紙管)をなくした「コアレスプチ」、完全生分解性で土に返る「グリーンプチ」など環境に優しいプチプチを開発している。
再生原料メーカーとの協力でプチプチを再生利用する「ループリサイクル」も進めている。循環型にすることで、新たなプチプチを使用するよりCO2排出量を約66%削減できるという。ちなみに、「輸送効率が高まるため、使用後のプチプチは積極的につぶしてください」とのこと。
リニアの原理で空き缶が吹っ飛んだ
ものすごい勢いで吹っ飛ぶアルミ缶たち。電磁誘導の原理を利用したアルミ選別機を展示するのは日本マグネティックスだ。展示パネルの説明によると、搬送コンベアの先端のドラムに内蔵された超強力な永久磁石を高速回転させるとドラム表面に強力な交番磁界が発生する。このエリアにアルミが通ると、アルミに電磁誘導現象が起きて、渦電流が発生し、この電流と磁界の働き(フレミング左手の法則)で前方に遠く跳ぶ、とのこと。
フレミング左手の法則……。一瞬意識が飛びそうになったので、ブーススタッフに助けを求めたところ、「リニアモーターカーと同じ原理です」と教えてくれた。なるほど。
トランスフォームしそうな“はたらくくるま”たち
会場には大型重機も多数展示されていた。






NEW環境展は5月27日までの4日間まで開催される。同時開催の「地球温暖化防止展」と合わせて約550社が出展し、約20万人の来場を見込む。入場料は1000円。
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