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茨城県つくば市で6月2日、電動スクーター「セグウェイ」やインテリジェント車いすなどの移動支援ロボットの公道走行実験が始まった。

実験はつくば市の「モビリティロボット実験特区」で行う。移動支援ロボットは現在の道路交通法では明確な位置づけがなく、国内の公道を走行できない。つくば市が特区の認定を受けたことで、公道走行実験が可能になった。
参加するのは、産業技術総合研究所(以下、産総研)、日立製作所、セグウェイジャパンの3団体。それぞれインテリジェント車いすや搭乗型ロボットを使い、安全性や有効性の検証実験を行う。参加団体は今後増える予定。



左から「SegwayPT i2」「日立搭乗型移動支援ロボット」「自律走行車いす」
セグウェイはこれまで国内では私有地での走行のみに限られていた。欧米では公道で走行することが可能で、駐車場の巡回警備にも活用されているという。公道実験で運転を行ったつくば市の職員は、「これまでの試乗体験では70代、80代の方でも乗りこなしていた。5分あれば誰でも乗ることができる。警備や道案内など、活用の可能性は非常に高い」と話す。今回の実験でも、段差など問題なく走行できたという。
産総研のインテリジェント車いすは、3次元地図とGPS機能を用いて、長距離自律走行を行う。実験では、レーザーセンサーによって歩行者や地図にない障害物を避けられるか、自律走行と手動走行の切り替えがスムーズにできるか確かめる。産総研の松本治博士は「今回の実験を通じて、より多くの方にロボット技術の可能性を知ってもらい、企業にもどんどん参加を促していきたい」と語る。
動画は追従型の車いす。先頭を走るのは一般的な電動車いすで、追従しているのが車いす型のロボット。松本博士は観光ツアーで活用できるのではと話していた
日立製作所の搭乗型移動支援ロボットは小型自動車のような形をしており、乗車定員は1人で前方から乗り込む。大きさは特区で走行できるギリギリのサイズだという。5個のレーザーセンサーとGPSセンサーを搭載し、「支援モード」ではこれらのセンサーを使って路面状況や周りの歩行者、障害物を検出し、危険回避を支援する。速度は最高時速9.5キロ(支援モードの場合は6キロ)。

モビリティロボット特区は2009年11月につくば市が提案し、翌年1月に国の承認を受けた。社会で役立つロボットの実用化や法規制に関する提言を目指す。
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