7月13日から東京ビッグサイト(お台場)で開催されている「第2回ROBOTECH – 次世代ロボット製造技術展」で、巨大な6足歩行ロボットが展示されていた。千葉大学院工学研究科の野波健蔵研究室が展示している危険作業支援ロボットの1つ「COMET-IV」だ。


COMET-IV
COMET-IVは、ガソリンエンジンを搭載した6脚ロボット。当初の研究では、目的に応じた作業用アームを取り付けた多用途ロボットになる予定だったが、東日本大震災を受けて、用途を災害復興に絞って開発を進めている。人や通常の重機が入れない場所でのがれき撤去を目指す。
重さは約2トンで、幅は大人2人が両手を広げたくらい。本体に積んだエンジン2機の重さに耐える脚として、ショベルカーのアームを流用したため、この大きさになったという。連続駆動時間は約4時間。
ロボットにはレーザー距離計や全方位カメラ、圧力センサーが積まれており、障害物の回避や不整地、斜面を自動で歩行し、1メートルほどの段差を乗り越えることができる。現在はがれき除去を行う作業用パーツの取り付けを研究している段階で、実用化にはあと数年かかる見通しという。
被災地の空撮作業
野波研究室のブースでは、被災地で活躍したロボットも紹介されていた。ビデオカメラによる空撮機能を持った6発ローター型の電動ヘリコプターだ。



こちらは旧モデルの4発タイプ。カメラは足元に付いている(右)
一般的なラジコンヘリでの空撮と違うのは、安定性が高い点と難しい操作が必要ない点。飛行姿勢の自律制御により、操縦に慣れていない人でも簡単に飛ばすことができる。またローターを6発にしたことで、いずれかのローターが故障した場合でも、応急処置として4発で動かすことができる。バッテリーの積載量も、旧モデルの4発タイプの2倍になり、20分間の飛行が可能になった。
小型飛行ロボットは、有人ヘリに比べて低コストで運搬や空撮ができ、狭い場所で飛行できるのが特徴。5月には気仙沼、石巻、女川、南三陸町で空撮を行い、データを自治体に提供したほか、YouTubeでも公開している。災害現場での活用だけでなく、農薬散布などへの応用も研究しているという。
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