「黙認」の風潮を変えるきっかけとなるか?
ニコニコ動画やYouTubeなどで多く見られる、ゲームの「プレイ動画」。今やゲームのプレイ映像を録画し、それを動画投稿サイトにアップロードするという行為、そしてアップロードされた動画を見るという行為は、ゲームの新しい楽しみ方のひとつとして当たり前のものとなりました。
そんな中、セガは先日、同社の「ぷよぷよ!!」について、生中継などを含んだプレイ動画の投稿・放送について、一定のガイドラインを守ることで許諾する旨を発表し、大きな話題を呼びました。商業・営利目的での使用や、ストーリーのネタバレが絡む部分についてはNGとされているものの、これにより「ひとりでぷよぷよ」や「みんなでぷよぷよ」の一部モードについては正式に動画投稿が認められた形となります。

以前からプレイ動画についてはネタバレや著作権侵害などの問題が指摘されてきましたが、メーカー側のスタンスとしては基本的に「黙認」――つまり禁止・許諾のどちらにしても明確なコメントは避け、明らかに問題のある動画のみ削除要請をする――というのが慣例のようになっていました。それならばなぜ今回、セガはあえて「正式許諾」という施策に踏み切ったのか? 問い合わせてみたところ、次のような回答をいただくことができました。
―― 今回、公式に「許諾」というスタンスを明確にしたのはなぜですか?
セガ担当者 「ぷよぷよ!!」のゲーム内容(ネタバレなどの問題が無いことなど)や、連鎖などのテクニックを他の人と共有することによりさらにゲームとしての楽しさを理解していただけることなどを鑑み、プロモーションの一環としてこのような施策を行っております。
―― メーカー側として、プレイ動画についてはどのように考えていますか?
セガ担当者 基本的には、これからゲームをプレイする方たちへのネタバレや、ゲームとしての面白さを損なう要素については、メーカーとして極力排除すべきと考えております。
―― 今後他のタイトルでも、同様の施策を採る可能性はある?
セガ担当者 ゲーム内容を鑑みたうえで、動画投稿がユーザーの皆様にとって有効だと判断した場合には、同様の対応をとる可能性はあります。
以前「Aileはなぜプレイ動画に『激怒』したのか? 『徹底交戦』ににじむゲームメーカーの怒り」という記事で触れたように、これまでメーカーとプレイ動画は非常に難しい関係にありました。そもそもゲーム内で使われている映像の著作権はメーカー側にあるわけで、非許諾でのアップロードを公に認めるわけにはいきません。しかし一方で、ユーザーの間である程度盛り上がっているという事実がある以上、全面的にこれを禁止したり「著作権侵害だ」といって訴えるのも考えてしまう。結局のところ「黙認」がベストであるという、ゆがんだ状態のままプレイ動画は投稿され続けてきたわけです。

今回、セガはそうした「ゆがんだ現状」からあえて一歩前に踏み出しました。もちろんすべてのゲームというわけではなく、現状ではあくまで「ぷよぷよ!!」限定。しかし今後もゲーム内容と照らし合わせ、有効であると判断した場合には「ぷよぷよ!!」と同様の対応をとっていく可能性もあるとのコメントをいただくことができました。
この対応が今後、プレイ動画コミュニティやほかのゲームメーカーにどういった影響を与えていくかは未知数です。しかしこれまで「いつ訴えられてもおかしくないグレー」だったプレイ動画が、一部とは言え「公認」になった点は大きい。これからのプレイ動画がどのように変わっていくのか、引き続き見守っていきたいと思います。
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