9月1日に始まった「サイン&ディスプレイショウ2011」(3日まで、東京ビッグサイト)で、写真の印刷・製本などを手掛けるアスカネット(広島市)が、空中に映像を浮かび上がらせる「空中ディスプレイ」を出展し、注目を集めている。空中の画面に手をかざして操作することも可能だ。

「エアリアル・イメージング・プレート」(AIP)と名付けた特殊なガラス板を使った技術。詳細は非公開だが、液晶ディスプレイの手前にAIPを設置すると、AIPをはさんで反対側の何もない空間に、ディスプレイの映像を結像して見せることができる。映像が浮かんで見えるのは、AIPの正面にいるときだけで、横からは何も見えない。
会場のデモでは、「諸行無常の響あり……」と平家物語のテキストが映画のエンドロールのように空中を流れて見えたり、レストランのメニュー表っぽい写真が空中に浮かんで見えたりした。写真では伝わりにくいのが大変残念なのだが、以下のような感じだ。


この空中ディスプレイとセンサーを組み合わせたデモも披露されていた。空中に浮かんでいるゲーム画面に向かってパンチを繰り出すと、センサーが手の動きをキャッチ。ゲーム内のキャラを倒すことができる。萌えキャラのCGが浮かんで見えるデモでは、キャラに向かって手を振ると、手を振り返してくれた。


コップの手前にAIPを設置し、コップに光を当てるデモも。するとやはり同じように、AIPを挟んでコップとは反対側の空間に、コップが浮かんで見えた。コップが目の前にあるように見えるのに、手を伸ばしてもつかめない。かなり不思議な感じだ。


まだ実用には至っていないが、将来的にはデジタルサイネージなどの用途を考えている。例えばレストランの店頭にビールのCGを浮ばせるといった演出が可能だ。すでに自動車メーカーやパチンコメーカー、ディスコの装飾を手掛ける企業などから問い合わせが寄せられているという。実用化されれば、車を運転しながら、空中に浮かんだナビ画面を操作するなんてこともできるかもしれない。


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