ゲーム動画を配信できるわけではない?

9月14日に開催された「SCEJ Press Conference」。PlayStation Vitaの発売日やラインアップ、3G版の料金体系など様々な新発表が相次ぎましたが、個人的に気になったのが、ニワンゴの杉本誠司社長による「ニコニコ」アプリについての説明でした。
PS Vita向けに提供される 「ニコニコ」アプリでは基本的に、「ニコニコ動画」および「ニコニコ生放送」の視聴や配信が可能なほか(動画の投稿・配信についてはアップデートで実装予定)、将来的にはPS Vitaでゲームをプレイしながら、ニコ生でその様子を実況できるプラグイン機能の提供も計画しているとのこと。これに対しネットの掲示板やTwitterでは、「ゲーム動画の配信OKってこと?」「プレイ動画の著作権は大丈夫なの?」など、様々な反応が寄せられました。
カンファレンスでは簡単な説明のみに留まりましたが、一体、PS Vitaで「ゲーム実況」が可能になるプラグインとはどういうものなのか? カンファレンス後、気になってニワンゴ側に問い合わせてみたところ、次のようなことが分かりました。
まず第一に「ゲーム実況」という言葉についてですが、これは「プレイ中のゲームの映像そのものをダイレクトに配信できる」という意味ではなく、PS Vitaの内カメラなどを使って「プレイヤーの表情や音声などを配信できる」という意味だそう。今後ゲーム映像そのものの配信にも対応する予定があるかどうか尋ねてみましたが、あくまで現時点では「カメラで映した映像の配信」であって、それ以外の部分についてはコメントできないとのことでした。
またこの機能については、ニコニコアプリとしてではなく、ゲームプログラム側に組み込む「プラグイン」として計画中とのこと。つまり、どんなゲームでも「実況・配信」ができるというわけではなく、あくまでメーカー側がプラグインを組み込んだゲームについてのみ利用できるようになる仕組み。このため、例えばメーカー側が実況を望まないのであれば(ネタバレを避けたい場合など)、プラグインを組み込まないことで無差別に実況されるのは避けられるとのことでした。
――ということで、現時点では「ゲーム映像そのもの」の実況配信ではなく、あくまで「プレイヤー自身の表情や音声の配信」とのこと。「ゲーム本体だけで簡単にプレイ動画配信ができるかも!」と期待していた人にとっては、やや拍子抜けな回答となったかもしれません。
ただ、以下は個人的な印象ですが、配信機能をアプリ側ではなく、ゲームに組み込む「プラグイン」として計画しているあたりに、将来的にはゲーム映像の配信も見据えているような印象を受けました。プラグインとして組み込めるということは、ゲーム側で「配信してもいいシーン/させたくないシーン」を自由にコントロールするのも不可能ではないはず。いずれにしても実装はまだまだ先になりそうですが、ひょっとしたら「プレイ動画問題」にひとつの解答を示してくれるかもしれないサービスとして、引き続き今後の動向に注目していきたいところです。



カンファレンスに登場したニワンゴの杉本誠司代表取締役
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