ギネス世界記録を持つ2足歩行ロボットが、IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2011」(10月4日〜8日、幕張メッセ)のはこだて未来大のブースで展示されている。アルミ製のフレームに発泡スチロール製の足を組み合わせた簡素な作りだが、外部動力に頼らず、100時間も歩き続けられるすごいヤツなのだ。
同じブースでは、イカ型ロボットもうろうろしていた。このロボットは、イカ刺しやイカの塩辛、イカソーメンといったイカ料理を踊りで再現する「イカ踊り」が出来るという。え……ロボットが踊ってイカソーメン!? 一体どういうこと……!?
振り子の原理で歩き続ける

「ギネス世界記録を更新したロボットがいるのでぜひ!」と案内されて、はこだて未来大のブースを見学した記者。さぞかし重厚なロボットが出てくるんだろうと勝手に“ワクテカ”しながら向かったところ、出てきたのが前述の2足歩行ロボットだ。
発泡スチロール製の足にアルミ製のフレームが差し込まれ、ビニールテープで固定された手作り感あふれる作り。高さは76センチ、重さは1.1キロ。モーターや電池などを備えていない「アナログロボット」だが、5度の傾斜があるルームランナーに乗せて少し押すと、とぼとぼと歩き始めた。
振り子の原理を使い、押された力で足をゆらゆらさせることで、秒速5センチほどのスピードで進んでいる。今年9月17日に実施した歩行実験では連続100時間歩き続け、過去のギネス世界記録13時間45分(4足歩行ロボットによるもの)を大幅に上回った。
ここまでの連続歩行が可能となったポイントは足の裏。ヨットが風や波で傾いてもひとりでに戻る「起き上がりこぼし」のような性質を足に持たせている。足の裏を側面から見ると、つま先が太くなっている。「抑制足形状」と言い、坂道で前に倒れ込みそうになると、太いつま先部分が踏ん張る反発力で、本体がバランスを保つそうだ。
このロボットの原型が生まれたのは6年前。同大学の三上貞芳教授の研究室が開発した。足を交互に出すときつまづかないよう安定させるのが難しく、記録更新は不可能と考えたが、学生らが足裏の装置の改良を重ね、ギネス世界記録を達成。三上教授は抑制足形状を「福祉やロボット技術に役立てられたら」と語っていた。


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