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両手のひじから先だけというシュールな形のロボット「音手(おんず)」が、「デジタルコンテンツEXPO 2011」(10月20〜22日、日本科学未来館)で展示されている。このロボットができることはただ1つ。拍手すること。でも拍手に対するこだわりは、半端ではないのだ。
実際の人間の腕を型取りして作ったロボット。筋肉や肌は超軟質ウレタン樹脂で再現し、骨はアルミで成形している。手の平を触ってみると本物のようにちゃんと柔らかくて肉厚で、内側の骨もしっかり硬い。手のひらは少し丸まっているので、拍手するとこもった高くて強い「パンパン」という張りのある音が出る。
デモでは、グランド・ファンク・レイルロードの「ロコ・モーション」、童謡の「幸せなら手をたたこう」に合わせ、「パパン、パン!」とリズミカルな手拍子を披露した。事前に組み込んだプログラムによる自動操作で、演奏後は自らの演技に拍手! 2本の腕が織り成すシュールな演出は、取材に駆けつけた記者たちの笑いを誘っていた。
製作したのは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科博士課程3年の高橋征資さん。コンピュータミュージックを研究していた大学時代に「生音響」を操作したいと思い、2009年4月から作り始めた。最初に作ったロボットは完成度が低く、拍手しているうちに指が飛んでいってまうといった不具合が頻発。研究を重ね、今回発表した2作目が今年1月に完成した。
今後は、手のひらの開き具合や手の向き、人の興奮度合いなどによって微妙に変わる拍手の様々な音・リズムを音手で再現していくという。お笑いライブの会場に音手を設置し、ネット越しにライブを見る人が「いいね!」ボタンを押せば、現場の音手が拍手する――そんな仕組みの開発も進めていると話していた。
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