引き取り率1割というケースも
「ヨドバシ秋葉のエロゲコーナーでは予約キャンセルが多くて困ってるらしい」
そんなつぶやきからはじまった、ゲームの予約に関する議論がTwitterを中心に盛り上がっています。主要なつぶやきはTogetterの「予約キャンセルにより起きる深刻な問題」というトピックにまとめられています。

そもそもの発端は、Twitpicに投稿された「当社にて予約をされるお客様へ」という貼り紙の画像でした。貼り紙はヨドバシカメラ秋葉原店のアダルトPCソフトコーナーにあったもので、要約すると――
「予約を無断でキャンセルする人が非常に多く、このままキャンセルが増え続けると予約コーナーの維持が困難になってしまう」
「11月18日以降、無断で予約をキャンセルするお客さまについては今後予約をお断りさせていただく」
という内容。これには同じゲーム取り扱い店も「他人事ではないですね」などと反応しているほか、別のユーザーからは「話を聞くと数百件というレベルではないらしい」といったコメントも。ゲームは1本あたりの利益が少ない商材で、しばしば「10本売れても1本売れ残れば赤字」とも言われます。1つの店舗で数百件ものキャンセルが発生すれば痛手どころの騒ぎではありません。
一方、こうした「無断キャンセル」が発生しやすくなっている背景として、昨今の「予約キャンペーン」の加熱ぶりにも問題がある、と指摘する声もあります。最近では販売店ごとに別々の予約特典を用意しているゲームも多く、それらの特典を手に入れるため、最初からソフトはキャンセルするつもりでとりあえず予約してしまうユーザーが後を絶たないのだそうです。もちろん無断キャンセルが悪いというのは大前提ですが、「予約数稼ぐために特典内容も決めないうちに早期予約キャンペーンをしたり、予約キャンペーン最終日まで延期発表しなかったりと、ユーザー側ばかりに問題があるとは言えないと思う」といった声もあがっています。
また販売店側で積極的に発言しているのが、最初に「他人事ではない」と反応していた、WonderGOO名古屋大須店のアカウント(@wgnagoya)。やはり予約キャンセルは「ここ最近顕著に多くなって」いるそうで、中でも多いのが「いわゆる『転売ヤー』の予約未引き取り」や、「とりあえず店舗特典付くと思うところで全部予約して、気に入った店で買えばいい」というケースなのだそう。またゲームのみならず書籍やCDなどでも無断キャンセルは問題視されており、ひどい場合は「引き取り率1割、店頭放出後の販売数0」といった商品もあったとのこと。こうした状況が続けば、最終的には次回作の入荷数を減らさざるを得ないと警鐘を鳴らしています。
もちろん予約には便利な面もあり、ユーザーは欲しいゲームを確実に購入することができますし、メーカーや販売店も事前に「確実に売れる数量」を把握することでソフトの販売機会を増やすことができます。しかし、こうしたメリットもすべては「確実に買う意志がある」という販売店とユーザーの信頼関係が前提にあってはじめて成立するもの。無断での予約キャンセルはそうした信頼関係を破壊する行為だ、ということを今一度考えておく必要があるのかもしれません。
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