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シリアスゲームの活用例
オーストラリアのニュースサイト「skynews.com.au」で、興味深い記事を見つけたので紹介します。昨年末から今年にかけ、チュニジア、エジプト、リビアで大規模な民主化革命が起こり話題になりましたが、その後この3国の政治移行を補助するために、コンピューターゲームによるシミュレーションが活用されつつあるとのこと。
ゲームの正式名称は「Strategic Economic Needs and Security Exercise」。頭文字を取って「SENSE」と呼ばれるこのプログラムは、1990年代にアメリカの国防分析研究所主導で開発されたもの。元々はボスニア・ヘルツェゴビナの独立と復興を助ける目的で開発され、仮想空間上に際限された架空の国家を舞台に、革命から政治移行、復興までの流れをゲーム形式でトレーニングできるのが特徴です。ゲームとは言え、政治・経済や紛争といった問題も組み込まれており、ごく簡単に言うなら「シムシティ」のリアル版と言ったところでしょうか。
記事によると、今回の「トレーニング」はポーランドが主導で行っており、11月中旬にチュニジアの政府役人47人を対象に実施。トレーニングは5日間にわたり、最初の2日間は紛争管理と交渉トレーニング、残りの3日間でSENSEプログラムを使った復興シミュレーションが行われたそうです。なおチュニジアに続いて、今後はエジプトでも同様のプログラムを実施する予定とのこと。
ちなみになぜポーランドが主導なのかというと、ポーランドも90年代に共産主義から民主主義への移行を経験しており、自国の経験を今後に活かすため、SENSEの開発に積極的に協力。現在はヨーロッパにおけるSENSEの公認オペレーター/インストラクターという立場にあるのだそうです。
アメリカでシリアスゲームという言葉が使われはじめたのは2002年頃からとされていますが、記事を見る限りSENSEはそれよりもかなり早くから開発され、実際に活用されていたということになります。シリアスゲームの活用例の1つとして、興味深い話題と言えるのではないでしょうか。



合衆国平和研究所(USIP)のサイトより、SENSEを実際に使っている様子
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