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肉のエアーズロック――なんて素敵な響きだろう。どれだけ肉厚なのか容易に想像できる。そしてヨダレがじゅるりとあふれ出る。きっと、オーストラリアの荒涼たる大地に唐突に現れる太陽に照らされた赤銅色のウルル(エアーズロック)のように、黒鉄色の鉄板の上に真っ赤な肉塊がただそこに存在しているのだろう。じゅるりじゅるり。よろしい、ならば食べてみようじゃないか!

訪ねたのは日暮里と市ヶ谷に店舗をかまえる大木屋さん。ネイチャージモンで取り上げられたことで一躍名を広め、予約が必至の人気店だ。5人以上でなくては予約ができないとあって、編集部総出で市ヶ谷店へと出向くことにした。もちろん、お腹は空いている。
選んだのはAコース。前菜代わりのかつおのたたきに、肉のエアーズロック、海鮮焼き、メンチカツ、そして鉄板からあふれんばかりのもんじゃが圧倒的な質量で提供される。

意気揚々と席につき、各々飲み物を頼むとまずはかつおのたたきをいただく。前日体調不良を訴えていた記者もこの日のために早退して備えてきた。あっという間にぺろりとたいらげる。ここでようやく鉄板に火が入り、お待ちかねの肉塊がお出ましとなった。




なぜ肉のエアーズロックと言われているのか。店員さんに聞いてみると、その見た目もさることながら、使用している肉がオージービーフだからとの回答。実に分かりやすい。そうこうしているうちにじっくり両面に焼き色がつき、赤かった肉塊の側面もほんのり火が通っていく。それを見越して店員さんが素早くスライスしていく。





肉塊を平らげたあとはカキ、エビ、ホタテ、イカをネギで炒める海鮮焼きが提供される。8人で訪れたためそれぞれ4つずつ。じゃんけんで公平に取り分けていく。ちなみに人気は予想どおりカキ、エビ、ホタテ、イカの順だった。こちらの具材は季節によって変わるらしい。

次に出て来たのはゲンコツより大きなメンチカツ。その周囲にキャベツの千切りを添えていく。まるで鳥の巣のようだ。そこにソースをかけて出来上がりだ。8等分に切り分けると中から肉汁があふれてくる。これまた一同ひるむことなくいただいた。

そして締めに、両手いっぱいのもんじゃが登場する。忘れていたが、ここはもんじゃ屋。もんじゃがなければ締まらない。ただ、その量たるや……。写真を見ていただくと分かるように、縮尺がおかしいとしか思えない。ボールに入った具材を一生懸命かき混ぜたら、半分ずつ鉄板に投入していく。いわゆる一般のもんじゃと違って土手は作らず、まんべんなく鉄板全体にならすのが大木屋風。きゃべつがしなっとしたらなんとなく完成だ。



さすがに圧倒的な物量に怖気づいたが、2杯分なんなく腹に収まっていく。意外と食べられるものだ。最後に口直しのシャーベットをほおばって各自4500円くらい。人数がいればよりお得感も高まるだろう。やはり5人以上での予約をオススメする。きっと、肉のエアーズロックの登場に盛り上がること請け合いだ。

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