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東京に生息する野生の生き物を紹介するイベント「TOKYO野生生物summit」が7月21日、ニフティが運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」(東京都江東区)で開催された。第3回を迎えたサミットでは、動物学者の今泉忠明さん、イキモノ観察ライターの里中遊歩さんの発表に、会場に集まったコアな野生動物ファンが耳を傾けた。都民になじみのある動物から、まさか東京にはいないだろうと思われている意外な動物まで、ピックアップしてご紹介する。

まずは鳥類。チャーミングな鳥の代表格であるカルガモは、東京都心でも見られる。東京に生息するカルガモは、アヒルと交配していることがあり、外見はカルガモだが性格はアヒルというものが少なくない。そのため、都心にはひと懐っこい性格のカルガモが多いそうだ。

カワセミは、東京では山奥に行かないと見られないと思われがちだが、新宿区でも見ることができるそう。小さい川があれば、そのほとりで見つけることができる。

コゲラはスズメよりも少し小さいサイズ。里中さんは銀座数寄屋橋交差点で見たことがあるそうだ。1980年代ごろには都内にはほとんどいない状況だったが、最近また都内で見られるようになってきた。

次に哺乳類。東京に生息するもっともメジャーな哺乳類は、家で飼われているイエネコだそうだ。もともとイエネコの発祥は、いまから1万年以上前に西アジアでヤマネコを家畜化したこと。それが世界中に広まって、日本には奈良・平安時代に渡ってきたと言われている。イエネコが飼い主の放置などにより野生化し、さらに、人間の生活に依存している野良猫と、依存しないノネコ(野猫)に分かれる。

イエコウモリは家の建物に住み着くコウモリのこと。里中さん曰く、新宿区歌舞伎町のネオンにツバメみたいな鳥がいたら、それはだいたいイエコウモリと思って間違いないそうだ。コウモリは動物の血を吸うと思われているが、日本のコウモリは血を吸わず蚊や昆虫を食べる。

動物の血を吸うチスイコウモリは南北アメリカ大陸にいるそうだ。彼らは、動物の毛のないところに噛み付いて血を出して舐める。100頭ぐらいで群れを作り、そのうち1〜2割は血にありつけないので、ほかのコウモリが分け与えて共存している。
いま都心部で増えているのはホンドタヌキ。寿命は5〜8年で、キツネに比べるとずんぐりとした原始的な体型をしている。主な生息ポイントは皇居、新宿御苑、代々木公園、不忍の池など、川の近くが多いそうだ。

ハクビシン(白花針)は木に登る習性があるためひとの目につきにくい。一部の種から分泌される液は、とてもきつい匂いがするそうだが、それを1万倍に薄めて香水にする。在来種説と外来種説があるが、最近のDNA鑑定で外来種説が強くなっている。

ニホンザルは、都心部や都内の山間部で見ることができる。オスの中には、群れを離れて単独で生活するものがおり、ときどき民家などに現れてはニュースになったりする。

アカゲザルは、アフガニスタン、中国、インドが原産国。体長48〜65センチほどで、ニホンザルよりもひとまわり大きく、尻尾は倍ぐらいの長さ。1980年代に千葉県南房総において生息が確認された。以前は、小児まひの実験動物として重宝され、サル1頭から3人分のワクチンを採取していた。

アライグマは北アメリカが原産。1970年代にアニメ「あらいぐまラスカル」で人気が出て、自宅で飼う人が増加。しかし、小さいころはかわいいが成長すると気が荒くなるため、飼い始めて苦労する人が多い。2008年には全都道府県で確認されたと言われているほど広がった。

これらの動物は東京で見つけることができる。週末にレジャーで公園や山を訪れたときに、目を凝らして探してみては?
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