「今回の僕の行動については、契約書を交わさない慣例ゆえに出来たことでもある」――「月刊コンプエース」の4月号で漫画「あにめたまえ! 天声の巫女」の連載を終了し、自身のWebサイトでの無料連載に切り替えた漫画家のRebisさんが、紙からいきなりWeb連載に切り替えられた背景をブログで語っています。

同作は、美少女声優ユニットが巫女に変身して神様を呼び下ろし妖怪娘たちと戦うという、萌えありバトルありのストーリー。Rebisさんによれば、雑誌の担当編集者との方針不一致が原因で連載を終了することになったそうです。
通常であればこうした打ち切り作品はその後、日の目を見る機会を失いがちです。しかしRebisさんは個人サイトでのWeb連載という形で作品の発表を継続し、すでに第3話まで(4月3日時点)が無料で読めるようになっています。今後も連載を続け、電子書籍化なども目標にしているそうですが、一度は紙に連載した作品を勝手に公開しても問題はないのか――その疑問に作者自ら4月3日のブログエントリーで答えています。
Rebisさんはブログで「今回の僕の行動については、契約書を交わさない慣例ゆえに出来たことでもある」と振り返っています。というのも、雑誌の漫画連載は契約書を結ばないままスタートし、単行本を出すタイミングで初めて契約を結ぶ場合が多いのです。漫画自体の著作権は漫画家が持っているので、出版契約などに縛られていない状態であれば、自身の作品を比較的自由に利用できるというわけです(もちろん、作品の内容に編集者がどの程度関わっていたかなど、ケースバイケースではあるでしょうが)。
ただ、全く自由に使えるというわけではなく、例えば吹き出しのセリフに入る写植など、出版社が発注・制作したような箇所は勝手に利用できません。Rebisさんはデジタル原稿の制作過程で自らセリフのデータを打ち込んでいたため、それを整えることで素早いWeb掲載が可能だったようです。また、ロゴについても出版社との話し合いにより、使い続けることが可能になったそうです。「連載をともにした愛着のあるロゴでしたので、角川書店さんにもデザイナーさんにも、大変に感謝しております」(Rebisさん)
ビジネスシーンで契約を結ぶことは大事ですが、一方で契約に縛られないからこそ、話し合いレベルでフットワークよく物事が進むケースもあります。作家と出版社の付き合い方……いろいろと一筋縄ではいかない問題ですね。
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