目立つのは確かに防空巡洋艦時代ですが
艦隊これくしょんの「9・25」システムアップデートで新たに“改二”状態が実装された軽巡洋艦「五十鈴」は、すでにこれまでも「防空巡洋艦」としての状態を“改”状態で反映しており、史実で搭載していた電探(21号、22号、13号と日本海軍で実用化した電探をすべて備えていた)と首尾線上に搭載して両舷への射撃が可能だった3基の12.7センチ連装砲などをレベル12という比較的容易な“育成”で入手できる“五十鈴牧場”として艦これ提督たちに愛されて(?)いる。

アップデート前の「五十鈴改」(左)と、新たに実装された「五十鈴改二」(右)

しかし、五十鈴の戦歴で最も輝かしいのは改装前の1942年10月12日、ガダルカナル島の米軍基地「ヘンダーソン飛行場」を艦砲射撃する作戦に戦艦「金剛」「榛名」を護衛する第2水雷戦隊旗艦として参加したことだろう。このときは少数の魚雷艇と戦闘が発生している。
このほかにも、1942年における一連のソロモン方面作戦では南太平洋海戦と第三次ソロモン海戦に参加している。ただ、南太平洋海戦では軽空母「準鷹隼鷹」(ごめんなさい! ご指摘ありがとう!)の護衛を務めていたが敵機との戦闘はなく、第三次ソロモン海戦でも、戦艦「比叡」「霧島」とともに敵味方入り乱れる激烈な夜戦を戦った……ということはなく、敵基地砲撃をして帰投中の「鈴谷」「摩耶」を迎えにいって護衛している最中に、敵機の攻撃を受けて被弾している。なお、このときの戦闘で沈んだのが重巡洋艦「衣笠」だ。
史実で五十鈴が防空巡洋艦への改装を終えたのは1944年9月で、防空巡洋艦として参加した空母戦は1944年10月のレイテ沖海戦だけになる。守るべき空母(「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」)はすべて沈んだものの、有効な個艦対空射撃と行動をともにした「千歳」「千代田」「伊勢」「日向」グループが時折スコールに身を隠すことができたおかげでなんとかこのときは生き延びた。
五十鈴は沈んだ軽空母「千歳」と軽巡「多摩」の生存者を救出した後、被弾して航行不能になった軽空母「千代田」の曳航と救出を試みたが敵空襲が激しく作業を中断し、なんと、千代田“だけ”を残して退却している。残された千代田は敵艦隊の集中砲火を受けてたった1人で沈んでいった。生存者なし。
なお、五十鈴は、この以前の1943年6月に軽空母「飛鷹」が潜水艦の雷撃を受けて被雷したとき、横須賀まで曳航して救出した実績があった。艦これ的には、対空対潜の能力が高く評価されている五十鈴だが、「空母を曳かせたら艦隊一」という一面もあったりするのであった。
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