
日本では2007年にTV放映され、そのキャッチーなOP曲『もってけ!セーラーふく』で一斉を風靡したアニメ『らき☆すた』をあなたは覚えているだろうか。仮にあなたの答えが「No」だとしても、きっとだれも驚かないだろう。なぜなら日本では新作アニメが1年間でおよそ100以上も放映されるのだ。6年も前のアニメだから、覚えていないのも無理はない。
しかし『らき☆すた』の舞台となった鷲宮の人々は、今なお作品を大切にし続けている。その象徴とも言えるのが、1年に1度開催されるお祭り「土師祭」だ。土師祭は、一説には東京近郊で最古とも言われる神社・鷲宮神社に奉納されている神輿を人々が担いで、鷲宮の町を練り歩くお祭りだ。

その伝統あるお祭りに、2008年、全く新しい神輿が誕生した。それが「らき☆すた神輿」だ。金箔で装飾された、重厚で伝統的な神輿とはうって変わり、全面に『らき☆すた』に登場するキャラクターたちのイラストをしつらえたそのさまは、まさにオタクのための神輿といえるだろう。この、「らき☆すた神輿」を鷲宮の人々は、神輿が作られた2008年から毎年欠かすことなく、伝統的な神輿とともに土師祭で担いできた。


そして今年も、また土師祭の季節が来た。2013年9月1日、らき☆すた神輿が出来て6年目の土師祭を迎えた。当日、天候は生憎の荒れ模様で、度々のゲリラ雷雨に、祭は何度も中断を余儀なくされた。そんな悪天候の中、日も落ち、ついに神輿を担ぐ瞬間がやってくる。
小雨が降る中、神社のまわりは独特の熱気に包まれ、男たちの気合の掛け声を皮切りに、らき☆すた神輿はゆっくりと動き出した。『らき☆すた』の登場キャラクター・白石稔役の少年が神輿に乗り、笛で音頭をとると、神輿を担ぐ男たちからは「こなた! こなた!」コールが巻き起こる。『らき☆すた』の主人公の名前が鷲宮の町に響き渡るその様子は、ファンにとって胸の熱くなるものだろう。

蓋を開けてみれば、悪天候であったにもかかわらず、昨年よりも1000人多い、7万3000人もの人々が今年も土師祭に訪れた。鷲宮の人々の、6年たっても色褪せない『らき☆すた』へのこだわりが、今なお多くのオタクの心を掴んで離さない。土師祭は、伝統文化とオタク文化の融合の喜ばしい成功例といえるだろう。
英文:Traditional Culture and Otaku Culture Unite! Lucky Star Mikoshi Created for Hajisai!
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