ユーメイドが2月3日に発売を予定していた書籍「アホ男子かるた」の発売が、“炎上”により無期延期となりました。子育ての苦労を面白おかしく描く漫画作品でしたが、内容の基になったのは、不特定多数のTwitterユーザーによる投稿でした。知らないうちに自分の投稿がネタにされていることに気づいたユーザーがネット上で不快感を表明し、炎上状態に。同社はTwitterのガイドラインに準拠した利用方法だと主張していますが、「投稿者の皆様に不快な思いを与えてしまった」と謝罪し、発売を無期延期としました。

本が作られることになったのは、Twitterで2012年10月ごろから使われだしたハッシュタグ「#アホ男子母死亡かるた」の盛り上がりがきっかけ。息子を持つ親が子育ての苦労や面白エピソードを投稿するハッシュタグとして、さまざまなユーザーが“子育てあるある”を投稿していました。漫画を担当した「アホ男子かるた」の著者も、イラスト入りで同ハッシュタグに投稿しており、これが編集者の目にとまって書籍化が動きだしたようです。

この際、出版社側は新たに「#アホ男子かるた」というハッシュタグを作り、「面白いものは漫画になる」という触れ込みで投稿を募集。しかしこの新たなハッシュタグには元ネタである「#アホ男子母死亡かるた」の投稿にそっくりなものが散見され、結果として書籍には、もともとのハッシュタグの投稿とうり二つの内容も掲載されました。
こうした事態に気づいたオリジナルの投稿者がTwitter上で不快感を表明し、本の著者に事情を問いただすなど動き始めると、その様子がtogetterやNAVERまとめといったメディアを通じて発信され、さらに有名ブロガーが問題を報じるなど騒動が大きくなっていきました。また、フォロワーがほんのわずかしかいない新設アカウントが、「#アホ男子かるた」に転載投稿をしていたことなども分かり、一種のロンダリングを疑われて“炎上の燃料”になりました。
ユーメイドはTwitterが掲げる「ブロードキャストでのツイート利用に関するガイドライン」に準拠した形での利用であれば問題ないと判断し、書籍化を進めたと主張しているほか、「事前にツイッター投稿者の皆様へ個別にご連絡をさせていただくことも検討いたしましたが、ツイッターの特性上現実的ではないとの判断により弊社からの個別の連絡を断念した次第です」と説明しています。
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