台湾・台北市の博物館「台北故宮博物院」の代表的文化財を展示する特別展「台北 國立故宮博物院−神品至宝−」を、東京国立博物館(東京都・台東区)で6月24日から9月15日まで、九州国立博物館(福岡県・太宰府市)で10月7日から11月30日まで開催する。過去の海外展では出品されたことがない、人気トップ2ともいえる文化財「翠玉白菜」と「肉形石」も期間限定・会場限定で展示される。

至高の白菜、降臨
故宮博物院の展覧会はこれまでアメリカ、フランス、オーストリア、ドイツでしか開かれたことがなく、アジアでの開催は初めて。中国歴代の文化財を60万点以上収蔵している故宮博物院から、特に代表的な作品を厳選して展示する。台北でしか見られなかった歴代皇帝のコレクションを国内で見られる貴重な機会となりそうだ。
中でも目玉は、6月24日から7月7日まで東京会場限定で展示される「翠玉白菜」(すいぎょくはくさい)と、10月7日から10月20日まで福岡会場限定で展示される「肉形石」(にくがたいし)。どちらも故宮博物院来場者に人気の文化財のため、交渉が難航し日本への出品が決まったのは最後の最後だったという。

「翠玉白菜」。翡翠とは思えないみずみずしさ
「翠玉白菜」は中国の清時代(18〜19世紀)の、翡翠(ひすい)から白菜を彫刻した宝飾品。1つの翡翠に白色と緑色の違いがあるという本来なら宝飾品用として劣るところが、あえて表現に生かされている。葉っぱにイナゴとキリギリスがとまっているのも見どころ。

「肉形石」。こんなトロトロしておいしそうなのに、石でできているなんて
「肉形石」は清時代の、瑪瑙(めのう)で豚バラの角煮を再現した宝飾品。瑪瑙のもつ赤と白の縞目で赤身と脂身の層が表されている。角煮の皮の照りは瑪瑙ならではの染色技法で作られているとのこと。
ほかにも北宋の皇帝・徽宗も愛した青磁「青磁輪花碗」や、北宋時代最高の詩人であり名筆家でもある蘇軾(そしょく)の詩巻「行書黄州寒食詩巻」など、数多くの名品を展示する予定。「白菜」と「肉」に続く故宮の人気者とされる、クマと人間が力比べしている像「人と熊」なも。



観覧料金は一般1600円。入場時間・休館日など詳細は公式サイトを参照。
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