TOKYO MXの映像の画質が4月から劣化した、といううわさがネットの掲示板やTwitterなどで話題になっています。中には他局で放送されたアニメと映像を比較し、TOKYO MX版の画質劣化を指摘する人も。確かに比較画像などを見ると、他局に比べTOKYO MX版は画質がやや荒くなっているように見えます。
Twitterに比較画像を投稿する人も(※追記:BSのハイビジョン放送は1920×1080、地上波のハイビジョン放送は1440×1080と、そもそも元の解像度やビットレートに差があるほか、画像投稿の際に再圧縮されている可能性もあるためあくまで参考まで)
こうした映像の劣化は、4月からTOKYO MXが導入した「マルチキャスト化」が原因なのではないか、という推測もあるようです。
これまでTOKYO MXでは、1つの帯域で「ハイビジョン(HD)放送1番組、もしくは標準画質(SD)放送最大3番組」しか放送できませんでしたが、この4月からは最新の圧縮技術の導入により、1つの帯域で「HD放送1番組とSD放送1番組」の同時放送が可能に。HD番組を放送する091chと、SD番組を放送する092chの「24時間マルチチャンネル編成」体制をスタートしていたのでした。

TOKYO MXの公式サイト
しかし、一方でこの24時間マルチキャスト化は、これまで帯域をフルに使っていたHD放送番組の圧縮比率が変わったことも意味しています。これが画質劣化に影響しているのでは――というのがネット上の推測でした。
TOKYO MXの「4月以降の画質が低下」「原因はマルチキャスト化」のうわさは果たして事実なのか。運営元の東京メトロポリタンテレビジョンに質問してみたところ、「うわさは認識している」としたうえで、以下のようなコメントをいただくことができました。
「(番組を放送する際は)非圧縮の原素材に対して、BSであっても、地上波であっても、圧縮エンコードは行っています。圧縮はおもに動きの速い画面など、人間の視覚的に見えにくい部分を中心に行っており、今回の24時間マルチ編成による圧縮比率の変更で、動きの速い画面などで若干の変動は見られるものの、番組の内容については問題なくご視聴いただけるレベルと考えております」(編成部・広報担当)
なるほど、少なくとも、マルチ編成による圧縮比率の変更があり、動きの速い画面などで若干の変動が見られるようになったのは事実のようです。
ネットの掲示板では今回のウワサについて、「目が悪いから放送中の画質とか気にしてなかったけど、ここまで違うと考えてしまう」と劣化を気にする人もいた一方、「画質画質言うけど見てる分には気にならないんだよなぁ 」「最速でアニメ見られるんなら画質なんかどうでもいいよ」「タダで見れるんだから文句言うなよ。アナログの頃思い出せば随分マシじゃないか」など気にしないという人も。「画質劣化」をどれくらい深刻に受け取るかには個人差もあるようです。
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