8月20日未明、広島市内での局地的豪雨によって発生した安佐南、安佐北両区での土砂災害は、「バックビルディング現象」が影響しているのではないかとウェザーニューズが発表した。
バックビルディング現象とは、ある場所で積乱雲が発生し続け、上空の風に流されて積乱雲が移動し別の場所で雨を降らせる現象のこと。積乱雲が線状に並ぶことで、同じ場所で強い雨や雷をもたらす。

今回、安佐南、安佐北両区に降った雨は、日本海側に停滞する前線に向かって流れ込んだ南風が、広島県と山口県の県境の丘陵部にぶつかり上昇気流となり積乱雲を発生。それが上空の南西風によりさらに発達させながら北東方向へ運ばれ、風下側の広島市北部で長時間にわたり局地的豪雨となったのではないかと予想されている。
この現象は20日午前1時から同午前4時ごろまで続いたと見られ、積乱雲は一時雲頂高度1万5000メートル弱まで発達したことが、ウェザーニューズの「WITH レーダー」によって確認されているという。

広島県内は今夜いっぱいまで、九州北部では明日午前中まで局地的な豪雨や雷が予想されている。雨により地盤が緩くなっており、引き続き土砂崩れに注意が必要だ。
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