「一青窈の再生速度を下げると平井堅」というトリビアがテレビ番組「トリビアの泉」で取り上げられ話題になったのを覚えていますか? もう10年前のことです。このネタ自体は2ちゃんねるが発祥のようですが、これを実証した研究があります。
正確には「歌声トピックモデルに基づく類似歌声検索とトピック可視化」というもので、ぼかりす(VocaListener)でおなじみの産業技術総合研究所・中野倫靖氏、後藤真孝氏、そして京都大学・吉井和佳氏の共同研究によるものです。8月23日に行われた、音と映像に関するシンポジウム「OngaCREST 2014」で公開されました。

この研究では2000年から2008年にかけてオリコン上位20位以内に入った12アーティストのボーカルを分析してモデル化し、類似度を計算。対象アーティストは、男性ではASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKEN、福山雅治、GLAY、氷川きよし、平井堅。女性ではaiko、JUDY AND MARY、一青窈、東京事変、宇多田ヒカル、矢井田瞳。さすがに時代を感じさせますね。中野さんに聞いたところ、予算が許せば最近の年代までカバーしたり、年別にデータを収集したりしたいそうです。

これら12人を分析し、その特徴を抽出したうえで歌声をそれぞれ3曲分、音の高さを半音ずつずらしたものを7種類。合計252曲分で類似性を調べた結果が右の表になります。
表では歌手IDで書かれているためちょっと分かりにくいですが、たとえばF3は一青窈、M6は平井堅のことを表しています(歌手ごとのIDは1枚目の画像参照)。表の「F3」の列には「M6(+3)」が並んでいますが、これは平井堅のピッチを+3する(1音半上げる)と一青窈の声になる、ということを表しています。ほかにも例えば、東京事変を-3するとASIAN KUNG-FU GENERATIONになったり、矢井田瞳を+1するとJUDY AND MARYになったり――といったことが表から分かりますね。あと一青窈だけでなく、実は宇多田ヒカルも平井堅の歌声に近いみたいです。

今回の研究では、音高、つまり音の高さを変えたものも比較対象としたことから、性別を超えた声質の推定ができるようになったことが大きな特徴です。
今後は歌声を特徴付ける要素についてさらに分析が進みそうです。また、ビブラートやしゃくりなどのボーカルテクニックなど、声質だけではなく歌い方の特徴をモデル化することも検討しているそうです。
研究が進めば、また新たなトリビアが生まれるかもしれませんね。
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