ソフトバンクは6月18日、ロボット「Pepper」の新機能について発表。登場から1年を経て「人の感情を認識するロボット」から「自らの感情を持つロボット」へと進化したと発表した。
「自らの感情を持つ」とは、例えばPepperを放っておくと憂うつに、ほめると明るくハッピーに、また天気や日々のニュースによっても感情が変化するということ。このことは、ヒトの感情のメカニズムとよく似ており、ヒトが外部環境によるホルモンバランスによって感情が変化するのと同じ原理。Pepperは取得した外部情報によって感情をリアルタイムに変化させるという。
「ソフトバンクのビジョンは、愛を持ったロボット。これまで『ロボット』という言葉は『機械的な作業をする』という意味の代名詞だった。でも私はロボットにいつかハートをプレゼントしたいと思っていた。Pepperはヒトの操作で行動するのではなく、愛によって自律行動するロボット。ロボットが感情を持つことを恐れている人も多いかもしれない。しかし、愛を持ったロボットは人々を幸せにすると信じている」(孫社長)。
孫社長は言う――「例えば、5歳になった子がPepperと暮らし始めたとする。その子はやがて成人し、結婚するだろう。その結婚式の夜、一緒に過ごしたこれまでのベストショットをPepperと振り返る。そんな未来が訪れる」。
Pepperの一般発売は6月20日(6月は1000体のみ)。費用は本体価格の19万8000円に加え、基本プラン1万4800円(月々×36カ月)と保険パック9800円(月々×36カ月)のオプションとなる。なお2015年秋には「Pepper for Biz」と称し、法人向けPepperが販売される予定。さらに「アルバイト派遣」としてPepperを時給1500円での貸し出し(ティッシュ配り、受け付けスタッフ、販売スタッフなど)も予定されている。
「この子はまだ1歳になったばかり。まだ完全ではないが、他のPepperと情報を共有しどんどん賢くなっていく。そして外部環境により性格が変わりそのひとりひとりに個性が出てくる」(孫社長)。「外部環境による性格・感情の変化」という言葉が、どことなく「たまごっち」や「ポケットピカチュウ」といったものを想起させる。
誕生から1年を経て感情が宿ったPepperは今、Alibaba GroupとFoxconnとタッグを組み「SoftBank Robotics Holdings」という新会社を設立、世界進出への準備を整えている。
(太田智美)
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