凸版印刷が「くずし字を判別してテキストデータ化するOCR(光学文字認識)技術」を開発しました。江戸期以前の本や明治期の手書きの文章は「くずし字」を使って書かれており、学習しないと読むことができません。くずし字の学習は近世以前の日本文学や日本史を学ぶ学生にとっては必要不可欠で、多くの学生が「よ、読めない……」と悲鳴を上げています。
凸版印刷の開発した技術は、書物のくずし字を自動で判読し、テキストデータ化することを可能にするもの。2014年に実施した検証実験では、くずし字で記されている書物を80%以上の精度でOCR処理することができたとのこと。OCRで判読した文字は専門家によって校正・校閲され、その結果はくずし字のデータベースにフィードバックされます。


現在、くずし字で書かれている古典籍は100万点以上と言われており、大部分が翻刻(ほんこく、くずし字で書かれた文献を楷書に直したり活字で出版するなどして読みやすい形式にすること)されていません。この技術が広まれば、今後、多くの古典籍が誰にでも読めるようになるかもしれません……!
凸版印刷は、この技術による古典籍のテキストデータ化サービスを2015年夏から試験的に開始します。「今後、幅広い年代やジャンルの資料に対するOCR処理の精度向上を図ります」とのメッセージを発信しています。
(青柳美帆子)
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