「第1回イカサマ麻雀選手権」と題された麻雀の実況動画が、niconicoで人気を集めています。通常の麻雀の持ち点に、やり遂げたイカサマによる芸術点(実況者が独断で採点)を加えた総合得点で勝者を決める試み。どんな妙技が見られるかと思ったら……全員手際が悪くてバレバレだあ!



対局は俗に「サンマ」と呼ばれる3人麻雀。参加したR、N、Jの3選手は、いずれもイカサマの素人で、手口はスローで見なくともすぐ分かるレベル。当然、視聴者からはツッコミのコメントが殺到しているのですが、選手たちは互いに指摘することもなく、平然と打ち続けているところがシュールです。

3選手はそれぞれ得意な(?)イカサマを多用します。まずR選手が使うのは「ぶっこ抜き」。本来はあらかじめ自分の前にある山に好きな牌を積み込んでおき、スキを見て手牌と交換する技です。しかし素人の手際ゆえ、手さばきが遅くて仕掛けが見え見え。そもそも雀卓が全自動なので自由に山を積めず、そこまで有効なイカサマではありません。一応、手牌をランダムに交換できるメリットはありますが……。


N選手の代表的な手口は「握り込み」と呼ばれる、余分に牌を引いて手牌を多く抱え込む技。通常は全14枚の手牌を1枚ずつ交換し、完成形に近づけるのが麻雀というものですが、手牌が多いと選択肢が増えるため、完成しやすくなります。N選手は比較的手際が良いほうですが、すぐに山の形が不自然になるので、仕掛けが丸分かりです。


J選手は「河」(ホー。捨て牌の置き場所)を利用した技の使い手。他者の河に欲しい牌があると、こっそり……いや、あからさまに自分の手牌と交換してしまいます。ときには自分の河から牌を持ってくることも。捨て牌をやり直したくなる気持ちは分かりますが……。


ほかにも、山の牌を盗み見るなど細かいズルが横行するなか、南1局でN選手のすさまじい手口が炸裂します(Part3の2分40秒ごろ)。J選手の先行リーチに対し、なんと危険牌の五索(ウーソウ)を河の左端に置き、過去に捨てたことにする暴挙。仮に五索が当たりだったとしても、J選手はロンできません。さらに、リーチ後に見逃したことになるので「フリテン」ルールが成立し、その後誰かが五索を捨ててもあがれません。……もっとスマートに仕掛けてくれたならすごかったんですが。



全員がデタラメなイカサマをするせいで点棒の奪い合いになり、意外と点数は均衡。しかし南2局(Part3の6分ごろ)で、目の前に山がなくたいしたイカサマをできなかったJ選手が、普通に四暗刻(スーアンコウ。「役満」と呼ばれる最高の役の1つ)をあがり、大きく抜け出します。もう、イカサマとは無関係に強くない?

執筆時点で動画はPart3まで公開されており、残る対局は南3局のみ(サンマなので3局目で終了)。正直なところ勝負の行く末はどうでもいいですが、最後に選手たちがどんな無茶をするかだけは気になるので、早く完結編を!
(沓澤真二)
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