厚生労働省が、2015年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を発表した。無作為抽出した300単位区内の全世帯および世帯員を対象に、栄養摂取状況や生活習慣を調べたもの。重点項目として国民の睡眠時間などが特記されており、1日の平均睡眠時間が6時間未満である人の割合が増加していることが分かった(以下、厚労省の資料より引用)。

平均睡眠時間について最も多かった回答は「6時間以上7時間未満」で、男性が33.9%、女性が34.2%。6時間未満と答えた割合は、2007年以降増加傾向にあるという。睡眠不足の影響を感じるか聞いた質問では、睡眠時間が6時間未満の人は全項目において高い割合で該当すると回答。特に「日中、眠気を感じた」とした割合が男性44.5%、女性48.7%となった。


睡眠の確保を妨げる要因は、20〜50代男性では「仕事」が最多となった(「特に困っていない」と「その他」の回答除く)。女性での最多要因は、20代では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」が33.3%、30代では「育児」が32.7%、40代では「家事」と、世代ごとに差違が見られる。

さらに上記回答をした人は、「睡眠の確保のため最も必要としていること」も問われた。結果、20〜50代男性では「就労時間の短縮」、20代女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中しない」、30代女性では「育児のサポート」、40代女性では「家事のサポート」、60歳以上の男女では「健康状態の改善」との回答が最多となっている。

食生活に関する調査では、若い世代ほど外食や中食(既製品の総菜や弁当)の利用割合が高く、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事がとられていない傾向が見られた。特に20〜30代女性では、たんぱく質やカルシウム、食物繊維などの摂取量が、60歳以上に比べて少ないという。



とりわけ長い就労時間の問題(関連記事)が浮き彫りとなったこの調査。受動喫煙を有する機会の4割超が飲食店とのデータもあり(関連記事)、日本が抱える諸問題を如実に示している。

(沓澤真二)
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