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NPO法人「若年層のアニメ制作者を応援する会(AEYAC)」が2016年に行った「AEYAC若年層アニメーター生活実態調査」の速報を発表。若年層アニメーターの53%が家族からの支援を受けて生活しているという結果を報告しました。

この調査は経験年数3年以内のアニメーターを対象に行われたもので、回答者数は153人(うち男性29%、女性69%、その他2%)。回答者募集と調査はWeb上で実施し、集計結果を業界関係者が実態に照らして確認しています。調査内容は、賃金などの労働条件に加え、居住形態、家計の経済状態、通勤時間、奨学金返済の状況などの多角的な観点から生活実態を調べるものとなっています。
調査結果では、まず居住形態は「実家暮らし」が35%、1人暮らしや配偶者と同居などの「実家暮らしでない」割合は65%となりました。次に家計については、実家暮らしの全員が「主な家計支持者ではない」と回答。しかし、実家暮らしでない者のうち31%が「家族から仕送りを受けながら生活している」という回答に。これらの結果から、全体の53%が家族から何らかの経済的支援を受けてアニメーターを続けていることが明らかとなりました。


次に、実家暮らしでない者を対象とした「貯金を切り崩したことがあるか」という質問では、56%が「ある」と回答。しかし、「そもそも貯金がない」という回答が29%あり、貯金を切り崩したことが「ない」人は15%という結果に。これにより自ら家計を支持するアニメーターが抱えている経済的状況も見えてきます。

また、奨学金の返済を行っている者の割合は全体の33%で、これは日本学生支援機構が2012年に調査した奨学金の貸与割合37.7%と同程度の水準です。これらの情報から、奨学金を利用してアニメーターを目指す人は一般的な割合でいるものの、その奨学金返還がアニメーターの生活に負担をかけていることも明らかになりました。

アニメ業界は以前より労働環境の悪さから制作現場の人員不足が深刻化しているといわれていますが、一方で漫画家や小説家のようにアニメーターとなってからも当面その収入だけでは生活が出来ず、新たな人材が育たない土壌があるとも指摘されています。今回の結果はその指摘を裏付けるような内容となりました。なお、調査全体の詳細については2017年2月に報告書として公開する予定とのことです。
(C) 2016 NPO法人若年層のアニメ制作者を応援する会
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