宇宙要塞デス・スターの破壊は、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」のクライマックスイベント。帝国軍の基幹要塞は、なぜ崩壊の憂き目に遭ったのか? カスペルスキーがセキュリティ企業としての観点から分析し、ブログでレポートしました。帝国軍のセキュリティ体制の甘さが、大真面目に考察されていて興味深い内容です。

言われてみると、R2-D2がマルウェアのように思えてくる(画像はカスペルスキー公式ブログ)より
同作を資料とし、銀河帝国を企業と見立ててレポートは進行。同社はデス・スターの崩壊は一見すると反乱軍の奮戦の成果に見えるが、実際は指揮系統の怠慢とずさんなサイバーセキュリティ対策が原因と指摘。戦闘機に反応炉を破壊されるほどの致命的な脆弱性(※)や、設計図の漏洩自体は真の問題点ではなく、「攻撃を受けて初めて脆弱性に気づいたこと」こそ致命的な失策としています。確かに、設計図が盗まれた段階でセキュリティ監査などの対策をしていれば崩壊は防げたでしょうし、帝国軍にはそのためのリソースが十分にありました。
※デス・スターにはエンジンの排熱口が表面に露出している構造上の弱点が存在し、最終的にそこを狙い撃たれた

ミクロな問題点も詳細に指摘。例えば同作の冒頭で、帝国軍は反乱軍に盗まれた設計図を追い、データが格納されたレイア姫の輸送船を捕獲します。そのとき脱出ポッドが、姫に設計図を託されたR2-D2を乗せて射出。これを見過ごした帝国軍兵を、同社は「まったく無責任なサイバーセキュリティ対策そのもの」と批判。「物理的な記憶デバイスに乗ってデータが漏洩していく様子に直面していながら状況を理解していない」とし、従業員に対するサイバーセキュリティトレーニングで対処すべき問題だと述べています。
デス・スターがミレニアム・ファルコンを捕獲したシーンは、「ハッカー(R2-D2)の乗ったトロイの木馬型宇宙船を(確固たるセキュリティポリシーもなしに)重要な基幹施設に持ち込んだ」と解釈。R2-D2がシステムに侵入したくだりは「単なる情報漏洩でなく、業務プロセスコントローラーを掌握された」ととらえるなど、デス・スターの設計と運用におけるセキュリティの欠陥をずばずばと指摘しています。こうまで言われると、もうR2-D2が悪質なマルウェアにしか思えない。

挙げられた欠陥の1つにでも対策が講じられていれば、デス・スターは崩壊しなかったとの結論で、レポートは締めくくられました。インターネット商用化以前の映画を、現代の観点で考察するのは無粋とも思われますが、セキュリティ意識を考えるうえでは楽しく有意義な思考実験といえるでしょう。
(沓澤真二)
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