得体の知れない骨のようなものが積み重なり、絡み合い、溶け合い、1つの巨大な塊をなす。映画「シン・ゴジラ」のラストカットに登場したゴジラ第5形態の“雛形(ひながた)”が、19日幕張メッセ開催「ワンダーフェスティバル 2017(冬)」の「シン・ゴジラ」特設ブースで初公開された。以下、映画のネタバレもあるのでご注意を。

「シン・ゴジラ」ブースに初公開されたのは……

ゴジラ、第5形態雛形。禍々しい……
同作のラストでは凍結したゴジラの尻尾がアップになり、人骨のようなクリーチャーが無数に絡みあっているビジュアルがさまざまな憶測を呼んだ。こちらはゴジラの第5形態と呼ばれ、劇中ではCGではなく、雛形を直接スチールカメラで撮影した映像を使っている。つまり会場で展示されている雛形は、スクリーンに映し出された第5形態そのままの姿というわけだ。

左側からみた様子

尻尾の一番先にあたる部分。いくつも口があるようだ。左の人間のような造形の背中には、ゴジラの背びれのような何かが付いている


人骨のような部分は、目のくぼみがない、ギザギザとがったキバなど、人間離れしている
雛形は高さ1080ミリ、幅530ミリ、重さは台座も含め20キロ。さまざまな生物の亡骸が溶け合っているような造形は地獄絵図のようで禍々(まがまが)しい。つい目が行ってしまう人骨のようなクリーチャーは、目のくぼみもなければ歯はギザギザとがったキバのようになっており、かなり人間離れしている。それでも肉がついたかなり人間らしいものも……やっぱりゴジラは人間から生み出されたのか? そうじゃないのか? 細部を観察すればするほど思考が止まらない。

第2〜4形態の雛形も展示。こちらは第2形態、通称「蒲田くん」

目の未熟感にやっぱりときめく

半透明レジンを使用し、水棲生物が陸に上がったばかりの、皮膚が固まりきっていない生々しい質感を表現したという

第3形態。先に完成した第2形態の複製をベースにした。第2形態が急速に進化し立ち上がったばかり

第4形態2号雛形(着彩検討用)。第4形態1号の複製に着色を施したもの

本編のゴジラをイメージして竹本氏が自分で色を塗った
同時にブースには第2、第3、第4各形態の雛型も展示されていた。制作は第2〜第5形態いずれも竹谷隆之氏。販売コーナーでは庵野秀明総監督がプロデュースした第4形態のレプリカフィギュア(キット版)が360体限定で販売され、6万円(税込)という価格にもかかわらず長蛇の列ができていた。
(黒木貴啓)
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