任天堂のRPG「MOTHER」の“精神的続編”を称したインディーゲーム、「WONDER」の制作が発表されました。クラウドファンディングサイトのCAMPFIREにプロジェクトページを設け、正式公開の準備を進めています。

ロゴイメージ(プロジェクトページより)
過去に3作品が作られたMOTHERですが、生みの親である糸井重里さんが続編は作らないと明言。海外では有志によるファンメイド版「4」の制作が進められていましたが、多くの任天堂のファンメイド作品が同社の要請で公開を止められている昨今の状況を受けて、オリジナル作品として再出発することとなっています(関連記事)。
プロジェクト主催者の雨宮音夢さん(@nemnemjp)は、ファンメイド版「4」に期待を寄せていたそうです。しかし2016年9月からその更新情報が止まっていたことから、企画が中断したのではと推察。それならば自分たちで作ろうと思い立ち、前身となる「MOTHER X」のプロットを起こし始めたとのことです。
その後商標などの問題を鑑みて、タイトルを「WONDER」へ変更。「ゲームを制作するうえでの土台」を借りたことは認めつつも、原典のストーリーやキャラクターといった既存要素は一切登場しないとしています。あくまでもドット絵の雰囲気やせりふ回しなど一部要素を踏襲した“マザーライク”な作品として、2018年中のリリースを目指し開発中。プラットフォームはWindows・Mac・iOS・Androidを予定しています。

決戦シーンを想定したコンセプトアート草案。右下に原典の重要人物であるポーキーの姿がありますが、これは作者がファンアートとして個人的に見たかったために描いたもので、実際に作中に出てくるわけではないそうです(プロジェクトページより)
なおTwitterでは、「個人が勝手に『精神的続編』を名乗り、ここまで原典に寄せたゲームを作るのはいかがなものなのか」といった、プロジェクトの正当性に疑念を抱く声も散見されます。これを受けて、雨宮さんは「世界観的続編、と言うとなんとなく弱々しいので、精神的続編としたけど、この言い回しは正確ではなかった」とコメント。任天堂がどう判断するかなど、プロジェクトの行く末が注目されます。
追記
プロジェクトページが削除されました。理由について、雨宮さんはTwitterで「マザーのネームを借りた事実は確実にあって、既存要素が登場しないのだとしてもマザーライクとかファンメイドとかいう言葉でそれを正当化しようとしたのはじぶんの重大な非だと感じています」と説明。併せて関連ツイートも一部削除しています。
(沓澤真二)
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